ルービンシュタインのピアノの音は本当に美しい。ショパンの「夜想曲集」を聴くたびにそう感じます。

 

 

ルービンシュタインには何故か見せ物的なイメージを持ってしまって、聴かず嫌いままずっと来ていました。

 

某音楽評論家が絶賛したベートーヴェンの「皇帝」を聴いた時も、何も感じませんでした。

 

が、ある時ルービンシュタインの弾くショパンの「夜想曲集」のレコードを聴いてびっくり。

 

”こんな美しいピアノの音は聞いたことがないぞ”。

 

🔷レコードやCDの音について

 

前回、お蔵入りしていたデンオンのCDプレーヤーを引っ張り出して来たこと、そしてCDプレーヤーによる音の違いのことを書きました。

 

音の違いといえば、レコードプレーヤーの方がその差は大きく、カートリッジを変えるだけでその聴こえてくる音は全く別物になったりします。

 

スピーカーやアンプによる音の違いまで含めたら、同じレコード、CDでも聴く人ごとに違う音で聴いている訳です。

 

現に私もCDプレーヤーによる音の違いに改めて驚いているのですが、デンオンで聴くと中低音がしっかししてきます。だから明るく、きらびやかなマランツと比べると最初は地味で音場が狭くなったような感じがしました。

 

しかし、聴き続けているとマランツの方が作られた音のようにも思えてきます。ただそれは決して悪いことではなく、メーカーの音作りです。

 

原音再生という言葉がありますが、デンオンはそういった姿勢を感じさせます。

 

デンオンで聴くとルービンシュタインのピアノの音も変わって聴こえてくる訳ですが、一つ一つの音の芯が感じられ、落ち着きが加わったような印象があります。

 

🔶ショパン「夜想曲集」

 

ショパンは余り聴きません。

 

ピアノを聴こうと思う時は、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ」をまず思い浮かべます。

 

ショパンを最初に聴いたのはポリーニの「練習曲集」のレコードが出た時、当時FMラジオで盛んにそのレコードの宣伝が流れていて買ってみたのですが、”滝”と呼ばれる第1曲から完全にノックアウトされました。

 

そうしてポリーニの弾く「英雄ポロネーズ」を含めたポロネーズに夢中になったこともありますが、今はもう飽きてしまいました。

 

ルービンシュタインのショパンのレコードは、これもまた父親の遺したもので何となく聴いてみて、まずはルービンシュタインのピアノの音に驚いた訳で、以来ショパンを聴こうとするとポリーニの「練習曲」かルービンシュタインの「夜想曲」になります。

 

ショパン好きでは無いということでしょう。

 

それでも、それでもルービンシュタインのショパンは本当に美しい。

 

(第1曲)