前に、田部京子さんのシューベルトを取り上げた時に、ちょっと触れましたが今最もお気に入りのピアノ小品集がメンデルスゾーンの「無言歌集」です。

 

今回は、田部京子さんの弾いた「無言歌集」のCDです。

 

 

🔷メンデルスゾーン「無言歌集」

 

イメージとしてはショパンの「夜想曲集」に近いものがありますが、ショパンに比べより素朴な感じがして、それが好きなのです。

 

メンデルスゾーンは「無言歌」の題名で50以上の曲を書いたそうで、このアルバムではその中から25曲が選ばれています。

 

「無言歌」はその名の通り歌詞の無い歌という意味でしょうから、各曲とも何かしらのイメージを伝えるように書かれてはいますが、一曲一曲を深掘りするのではなく25曲の全体の流れの中で、ピアノの音が深く優しい音からフォルテまで、あるいはゆっくりした音楽から速いテンポまで揺れ動く様を楽しむような聴き方をお勧めします。

 

私の人生の中で最も古くはっきりと覚えているのが、保育園のお昼寝の時間に近くを通る電車のガタゴトという音の何とも心地よい響きで、「無言歌集」を聴いているとそんなことまで思い出されてきます。

 

25曲の中に一曲だけ多分多くの人が知っているメロディーを持つものがあります。

 

「春の歌」です。