ピアニストのポリーニさんが亡くなりました。
今回はポリーニさんを偲んで、レコードを選んでみました。バルトークの「ピアノ協奏曲第1番」「第2番」をカップリングしたレコード。アバド/シカゴ交響楽団との共演です。
🔶ピアニスト、ポリーニを偲んで
何度も書いて来た事ですが、ポリーニを初めて聴いたのは彼のメジャーデビューとも言えるショパンの「練習曲集」のレコードでした。
これは本当に凄かった。冒頭の滝を表したと言われる細かな音符からなる速いパッセージで一音一音が全てに光を当てられたかのようにクリアに鳴り響いた時の衝撃の凄かったこと。
この演奏が好き過ぎて、ショパンの他の曲への興味が無くなってしまったほど。
そんなポリーニでしたがそのアクロバティックなテクニックだけに興味が集まり、当時の音楽評論家たちの評価は、「カラヤンはリヒャルト・シュトラウスはいいんだけど、ベートーヴェンは聴けないよね」といった論調に近いものが多く、後日ベートーヴェンの最後の3つのソナタのレコードが出た時の評価はさっぱりだったように覚えています。
しかし時を経てポリーニ対する評価も変わって来て、今や先ほどのベートーヴェンなど絶賛されています。いかに音楽評論家たちの言う事が個人的な主観によっていたかが分かります。
私自身は熱心なポリーニ・ファンという訳でもなく、いつまでも最初に聴いたショパンが私のポリーニです。
🔶バルトーク「ピアノ協奏曲第1番」
バルトークは「管弦楽のための協奏曲」、「弦、打楽器とチェレスタのための音楽」、「青ひげ公の城」しか聴いたことが無いのですが、それらは私にとって最高の音楽たちです。
「ピアノ協奏曲」のレコードは、そんなバルトークの曲だから買ったものですが、実はいつも途中で投げ出して来ました。
「第1番」でピアノが打楽器のように始まるところで興味が高まるのですが、どうも骨と皮ばっかりの音楽に聞こえてしまって閉口してしまいます。
今回改めて聴いてみてもその印象は変わりませんでした。
ちなみにこの曲の初演は作曲者のソロ、指揮はフルトヴェングラーだったそうです。
🔶バルトーク「ピアノ協奏曲第2番」
なので、このレコードを聴くことがあっても、ひっくり返してB面を聴くところまで行かないで過ごして来ました。
だから、「第2番」を聴くのは初めてかも知れません。
骨と皮だけだった「第1番」に比べると多少肉付きが良くなったように感じます。それは多分オーケストラが饒舌になってきたせいだと思います。バックがアバド/シカゴだったとここで思い出した位ですから。
饒舌な第1楽章が終わると神秘的なアダージョが始まります。私の好きなバルトークが戻って来た感じ。
もう、いい曲確定です!
こうなると「第3番」も聴いてみたくなりますが、残念ながらレコードの手持ちhがありません。
第3楽章を載せておきます。
ポリーニさんのご冥福をお祈り致します。