今回は、カラヤン/ベルリン・フィルによるシベリウスの「交響曲第2番」のレコードです。

 

EMIによるカラヤンの新しい方の録音になります。

 

 

🔶凄まじい音

 

このレコードは1980年に録音されていますが、1970年代のEMIレーベルで聴けるカラヤン/ベルリン・フィルのこれでもかとばかりに聴かせる壮絶な響きはフォラモフォンとは全く音質が異なります。

 

この辺りはレコーディング・エンジニアなりプロシューサーの嗜好だと思いますが、それにしてもカラヤン/ベルリン・フィルの泣く子も黙らせる威力は凄まじいものがあります。

 

そんな音で録られたシベリウスの交響曲第2番です。

 

🔶シベリウス「交響曲第2番」 カラヤン/ベルリン・フィル

 

カラヤンが求めたダイナミクスの広さがここでも十分生かされています。特にここまでのピアニッシモは他では聴けません。

 

カラヤンの力が及ぼない隙を縫ってバーンスタインとベルリン・フィルが一期一会の演奏会が実現した訳ですが、そのマーラーの「第9」でバーンスタインが「私の大事が交響曲でこれほどまでに美しいピアニッシモが」と感動したピアニッシモです。

 

その反対のフォルテッシモに至っては音がビリつく寸前の激しさ。(実際、針先に少しゴミがあったようでビリ付き、慌ててクリーニングしたほどです)

 

このダイナミクスの広さがアンチの怒りを買うのかも知れません。

 

しかしカラヤンの揺るぎのない堅牢な造形の前には、もう素晴らしいとか言葉に出来ません。

 

因みに私は演奏における”造形”という意味を、作曲家が書いた譜面を元にした脚本と捉えています。脚本がつまらないドラマは、やっぱりつまらないですから。

 

第4楽章の大詰めの部分を載せておきます。段々と盛り上がっていって途中転調するところなどたまりません!

 

一言付け加えておくと、何もこの曲でカラヤンがベストと言っている訳ではありません。これだけの曲なので他にもたくさん素晴らしい演奏があります。