今回は、ネヴィル・マリナーがアムステルダム・コンセルヘボウを振ったホルスト「惑星」のレコードです。

 

 

ネヴィル・マリナーはアカデミー室内管弦楽団とベートーヴェン以前の音楽を中心に演奏している印象の強い指揮者だったので、そのマリナーの「惑星」をどんな経緯で買おうと思ったのかもう覚えていませんが、ともかく輸入盤漁りしていた頃に手に入れた輸入盤のレコードです。

 

🔶ホルスト「惑星」

 

「惑星」は太陽系の7つの惑星をそれぞれ一つの楽章として割り当てていますが、元々「7つの管弦楽曲」というタイトルで書き始められ、「惑星」として書き上げらています。

 

そのことからも分かるように、惑星そのものを表そうとした曲ではありません。ホルストは占星術的な面に着想を得たようです。

 

第1曲「火星」〜戦いをもたらす者

第2曲「金星」〜平和をもたらす者

第3曲「水星」〜翼のある使者

第4曲「木星」〜快楽をもたらす者

第5曲「土星」〜老いをもたらす者

第6曲「天王星」〜魔術師

第7曲「海王星」〜神秘主義者

 

冥王星が含まれていのは当時まだ発見されていなかったから、というのも知られた話です。

 

まずこのレコード、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団であること、そしてフィリップの録音であることを考えるとその響きはあらかた予想できますし、その通りの響きがしてまず満足できます。

 

その上でマリナーは、そのイメージを一新させる見事な演奏を聴かせています。

 

調べてみるとマリナーは、バロックの初期の作品から21世紀の現代音楽まで、そのレパートリーはカラヤン以上の幅の広さがあることを知って驚きました。

 

ベートーヴェン、ブラームス、シューベルト、チャイコフスキーなどの交響曲全集も録音しているようです。

 

その活動中、せっせと音楽雑誌を読んでいたはずなのに知らずにきたというのは、やっぱりレコード会社の力の違いだったんだと思います。

 

一言で言えば”大人の演奏”。だからと言って大人しい演奏とは真反対の必要な時には凄絶な響きも惜しみません。

 

やたら効果を狙った演奏では無いということです。その気になればカラヤンにも成れた人だったんじゃないかと思えてきました。

 

「惑星」の録音では殆ど名前が上がってこないマリナー盤なので、youtubeには無いだろうなと一応探してみたら、どういう訳か「水星」「木星」「金星」だけを取り出してアップしてくれている動画がありました。