Tverで「氷点」の文字を見つけ、早速観てみました。
⚠️ネタバレ注意
三浦綾子さんの小説「氷点」は、今まで読んだ小説の中で最も印象深く、主人公の陽子はいつも憧れの存在であり続けています。
ドラマも観たはずですが、多分それは初めてドラマ化された時で、調べると陽子は島田陽子さんでしたが、何故か山本陽子さんだったとずっと思い込んでいました。
今回観たドラマの陽子は石原さとみさん、主要な配役は陽子の両親に中村トオルさん、飯島直子さん。
観た感想は、この小説のドラマ化は本当に難しいんだなということでした。
🔶物語の始まり
”自分の子供を殺した犯人の子供を養子として育てさせる”
小説「氷点」は新聞に連載されるや否や大ヒットとなります。
辻口病院の院長辻口は幼い娘ルリ子を殺されてしまう。ルリ子が殺された時、妻夏枝が不倫をしていたという疑念を捨てきれない辻口は妻を恨みます。
ルリ子を失った悲しみを癒そうと夏枝は養子を望み、辻口は知り合いの産婦人科にルリ子を殺した犯人の子が居ると知り、妻にそれと知らず犯人の子を育てさせることで妻の裏切りへの復讐を図ろうとします。
そしてもらわれてきたのが陽子です。小説では陽子は純粋そのもの、それこそ穢れを知らない存在として描かれます。
ところが陽子がまだ幼い頃に夏枝は陽子がルリ子を殺した犯人の子であること、辻口がそれを自分への復讐のため意図的にやったことを知ってしまいます。
そして、物語はどんどん深みに入っていきます・・・。
🔶衝撃の結末が
美しく成長した陽子の目の前に二人の男性が現れます。一人はずっと兄弟として育ってきた兄の徹、そしてその友人の北原。徹は陽子が養子と知って陽子と結ばれることを望んでいます。
そしてとうとう陽子は事実を知ってしまいます。
自分の存在を罪深いものとして生きる気力を失った陽子は、遺書を残して自殺を図ります。徹への遺書には自分が本当に愛したのは徹だったと書かれていました。
小説は陽子を死を暗示して終わります。
🔶なんと続編が
小説に人気が沸騰し続編が書かれることになったのですが、死んだと思っていた陽子を無理やり生き返らせた訳です。
もちろんリアルタイムに小説を読んだ世代では無いのですが、この小説に続編があることを知った時、どういう話になるのだろうと興味を持って読んだのですが、流石に本編の内容の高さには及ばなかったという印象しかなく、話の筋さえ覚えていません。
今回のドラマも前後編に分かれていますが、ハラハラドキドキの前編に比べ後編がつまらなくなってしまったのは、元々の小説がそうなので無理もありません。
🔶今回のドラマについて
今の時代、陽子に人を得ることの難しさを改めて知ったところです。
昔観たドラマでの陽子役が島田陽子さんだったのですが、演出も今風のものとは違っていたと思いますが、朧げな記憶では小説の陽子のイメージに一番近かったように感じます。
もしかしたら、浜辺美波さんだったらとも思ったりもしますが・・・。