今回は、メータがウィーン・フィルを振ったマーラー「交響曲第2番”復活”」のレコードです。

 

 

メータについてはニューヨーク・フィルに行ってからつまらなくなったとか書いてきましたが、その時期にウィーンで録音したマーラーの「復活」はメータのベストと言える録音だと思えます。

 

ニューヨークに行って変に大人びた感があった訳ですが、ここではウィーン・フィル相手にロス時代の元気っぷりを取り戻しています。

 

🔷メータの「復活」

 

「交響曲第2番”復活”」はマーラーがその大風呂敷を広げるだけ広げたような作品。メータの気質に合っていると思います。

 

第1楽章冒頭の始まり方、ここを意味ありげに弾かせる指揮者が多い中、メータはそんな細かい所にはこだわりません。メータの魅力は細かな所にあまりこだわらない骨太さにあったのですが、この録音ではそれが戻ってきています。

 

常に眩しい太陽の光が当たっているような楽天的な演奏だと思いますが、それがメータの魅力なのです。

 

そしてオーケストラも余り細かなことにこだわらないメータに好感を持っていて、惜しげもなく美演を繰り広げています。メゾソプラノがクリスタ・ルートヴィヒなのも高評価の一因です。

 

美演と書きましたが、このレコード、録音も素晴らしいです。柔らかな弦、華美にならない程度に輝かしい木管、強烈なティンパニ、第3楽章のチューバの深い響きなど、音響的にも聴きどころ満載です。

 

この素晴らしい演奏がyoutubeに全曲動画が無いということは残念です。一つ最後の部分だけのものがあったので載せておきます。