今回は、オーマンディ/フィラデルフィア菅の「詩人の農夫序曲」「ウィリアムテル序曲」などを集めたレコード。

 

 

現役指揮者でこんな曲を集めたレコードを出したら誰も買わないんじゃないでしょうか。

 

カラヤン、そしてこのオーマンディはこの点で突出しています。

 

🔷ユージン・オーマンディ

 

フィラデルフィア管弦楽団の音楽監督として42年の長きに渡りオーケストラに君臨してきた指揮者。

 

トスカニーニは暴君として有名ですが、オーマンディ、ライナーらハンガリー系の指揮者も揃って暴君ぶりを発揮しています。

 

兎に角オーケストラの人事権を握っていますから誰も逆らえません。ライナーの暴君ぶりに対抗しようとオーケストラで初めての労働組合が設立されたほど。オーマンディが勇退した時、ベテランフルーティストが「これで明日から奴の顔を見なくて済む」と言ったそうです。

 

彼はフィラデルフィア管を”オーマンディの楽器”と言われるまでに鍛え、俗に言われる”フィラデルフィア・サウンド”を作り上げます。

 

このレコードは、正に”フィラデルフィア・サウンド”を堪能するためのレコード言えます。

 

🔷試聴して

 

ある日本の音楽評論家がオーマンディ/フィラデルフィアの演奏会に行った時、”目の前に多分何百万はするだろう楽器がズラッと並んで壮観だった”と書いていましたが、最初の「詩人と農夫」の独奏チェロの音色の美しさは確かに高そう。

 

このレコードを聴いて”あそこか良かった、あそこはどうも”等と言ってはいけません。「新人と農夫」「ウィリアムテル」「ザンパ」「天国と地獄」「軽騎兵」をゴージャスなフィラデルフィア・サウンドで楽しみましょう。

 

どれを載せようか悩みましたが、アルバム最後の曲、スッペの「軽騎兵」序曲を。