今回は、カール・リステンパルトがザール室内管弦楽団を指揮したバッハの「管弦楽組曲全集」のレコードです。

 

 

バッハの「管弦楽組曲」の素晴らしさを知った、私にとっては思い出深いレコードです。

 

🔶バッハ「管弦楽組曲」

 

「第1番」から「第4番」まであり、それぞれ作曲した時期や目的は違いますが、こうやって順番に聴いてみると4曲がまるで交響曲の各楽章のように性格が異なりながら、全体としてまとまりがあるように聴こえます。

 

バッハの管弦楽作品では「ブランデンブルグ協奏曲」が有名ですが、私はこちらの方が好きです。好きという以上にバッハの傑作、名作だと思っています。

 

当時「組曲」とは舞曲を並べた楽曲を意味していましたが、バッハの「管弦楽組曲」は最初に長めの「序曲」を置いてその後に舞曲を並べるという構成をとっていたため、バッハはこれらを単なる組曲を超えた作品という意味で「序曲」と呼んでいたそうです。

 

「第1番」は弦楽にオーボエ2本とファゴット、「第2番」は弦楽とフルート、「第3番」は弦楽とトランペット3本、ティンパニ、オーボエ2本、「第4番」は弦楽とトランペット3本、ティンパニ、オーボエ3本、ファゴットという楽器編成。

 

楽器編成から、その響きが拡大していく様が見てとれます。

 

4曲を通して聴くと「第1番」の素朴な序奏から始まる一大組曲のような構成になっていることに驚きます。「ロ短調ミサ」も様々な機会に書かれたものが一つの大ミサ曲としてのまとまりを持っていますが、バッハの作風というか作曲技術がいかに生涯にわたって高いレベルで均質であったかの表れだと思います。

 

「第4番」の最後の曲は舞曲を表す、ブーレとかメヌエットではなく、レジュイサンスが置かれ、フランス語で「歓喜」の意味なのです。

 

4曲続けて聴いた時、その絶頂は「第3番」の「序曲」そしてそれに続く「エアー」にあります。リステンパルトはトランペットにモーリス・アンドレを起用し、それがこのレコードの価値を何倍にも高めています。

 

残念ながらyoutubeではリステンパルトの演奏が見つけられなかったので、同じアンドレを起用したパイヤール指揮のもので「第3番」の序曲とエアーです。

 

 

全4曲を通して聴くことをおすすめしたいのですが、レコードで2枚の長さがあります、まずは「第2番」、そして先ほど少し聴いて頂いた「第3番」から聴き始めるのが順当でしょう。

 

「第2番」はフルート協奏曲ばりにフルートが活躍します。