今回は、ちょっと変わったレコードを紹介します。
ズービン・メータ指揮のロスアンジェルス・フィルによるジョン・ウィリアムズの「スター・ウォーズ」と「未知との遭遇」を入れたレコード。
両曲とも映画音楽ですが、ジョン・ウィリアムスはクラシック寄りの音楽を書く人なのと、指揮が若手のホープだったメータということで、レコード店ではクラシックとして扱われていました。
🔶記憶に残る映画
子供の頃、地元の小さな町にも映画館があってそこで観た怪獣映画が最初に観た映画。
そこで一番記憶に刻まれたのが「サンダ対ガイラ」という怪獣映画。怪獣ものながら残酷で無慈悲な弟のガイラと心優しいサンダとの何とも言えない切ない物語が子供心にずしっと来ました。
それから色々映画は観たと思いますが、次に印象に残っているのが今回聴く「スター・ウォーズ」。
1978年日本公開を待って、銀座のテアトル東京で観ました。冒頭のワイドスクリーンの下部からその先端が見え始め、ゆっくり上方に向かっていき最後はスクリーンを埋めるほどになっても中々末端が見えてこない母船の巨大さに圧倒された瞬間からもう目が離せませんでした。
続いて3作が公開されたものの、ずっと後になってあれの前があるんだと3つの映画が作られ、それなりに話題になったものの、私のようにリアルタイムに観てきた者にはどうも馴染めませんでしたね。
そして、これは動画で観たのですが、「羊たちの沈黙」。
ハンニバル・レクターの残酷さはもちろんですが、予想外のエンディングの作り方にびっくりしました。
とにかく、「スター・ウォーズ」にはそんな私にとってエポックメイキングな映画でした。
🔶メータの演奏
メータは映画「スター・ウォーズ」が公開真只中に手兵ロサンジェルス・フィルを率いて、ハリウッドボウルでレーザー光線やスクリーンを駆使し、「ツァラトゥストラはかく語りき」「惑星」といった曲と並べこの「スター・ウィーズ」を公開演奏しています。
このレコードはそのコンサートの成功を受け、メータがレコーディングを提案したものです。メータの誇らしげな面々の笑みが見えてきそうな演奏です。
メータはこの尖っていたロスアンジェルス時代のレコードが一番面白かったなあ。ニューヨーク・フィルの音楽監督の地位を手に入れるや一変に角が取れてしまってつまらなくなってしまった。
🔶「スター・ウォーズ」組曲
スター・ウォーズのテーマ
王女レイアのテーマ
小人のジャワズ
酒場のバンド
闘い
王座の間とエンド・タイトル
からなる組曲。
何十年か後にはホルストと「惑星」と肩を並べるような存在になっているかも知れません。
「スター・ウォーズのテーマ」と「王座の間とエンド・タイトル」です。
🔶「未知との遭遇」組曲
「スター・ウォーズ」のレコーディングが決まって、そのカップリング用にジョン・ウィリアムウズが10分ほどの短縮版に仕上げたものです。
映画のシーンに合わせて音楽をつける映画音楽作家にはお手のものだったでしょう。
こちらも映画は観ていますが、その出だしには驚かされました。
音楽自体は「スター・ウォーズ」に比べるとずっと現代音楽っぽくなっています。