今回はアンネローゼ・シュミットがピアノのモーツァルトの「ピアノ協奏曲第26番」と「第18番」が入ったレコードです。
🔶父親の残したレコード
モーツァルトへの興味の大半は交響曲、レクイエムといった管弦楽曲にあったので、ピアノ協奏曲は積極的にレコードを買うということはありませんでした。
しかし、亡くなった父親はどうもピアノ音楽に興味があったらしく、モーツァルトに、また協奏曲に限らず多くのピアノ曲のレコードやCDを残してくれました。
これもそんな一枚。アンネローゼ・シュミットはお気に入りだったようでモーツァルトの協奏曲が何枚かあります。
🔶モーツァルト「ピアノ協奏曲第26番”戴冠式”」
実はさっきから繰り返し聴いています。
何がそんなに気に入ったかというと、ピアノ、オーケストラの素朴で質実な音がとても気持ち良くさせてくれてるのです。
オーケストラはマズア指揮のドレスデン・フィルハーモニックでピアニストを含め東ドイツ勢が揃っているためなのでしょうか。
モーツァルトの「第26番」は殆どの聴いてこなかったのですが、いい曲ですね。「第20番」のようにモーツァルトがどこか意識的に書いたような跡がなく、とても自然に流れていきます。
この曲の自筆譜のピアノ・パートのほとんどに左手のパートが書かれていないということです。モーツァルトが自分でピアノを弾くのが前提だったので出来たことなのでしょう。
だから他の人が左手パートを補筆していますので、大体決まり切ったような伴奏になっています。「レクイエム」も大部分を弟子が書いていてその価値を半減させてしまっていますが、この曲では主要な部分は完成しているので、全く事情が違ってきます。
第2楽章の左手パートに対し、音楽学者アインシュタインは「とても下手くそ」と切り捨てていますが、私にはこの単調さがモーツァルトの書いた楽想にすごく合っているように感じます。
youtubeにあれば第2楽章だけでも貼り付けておきたかったのですが、残念ながら見つけられませんでした。
🔷モーツァルト「ピアノ協奏曲第18番」
この曲をモーツァルトが弾いた演奏会の観客席にいた父レオポルドはその美しさに感涙し、臨席していた皇帝ヨーゼフ2世は「ブラヴォー、モーツァルト!」と叫んだそうです。
その後のモーツァルトの楽曲を知っている私たちはそこまでの感じ方は難しいかと思います。ということは可能ならそれぞれの作曲家を作品番号順に聴くということも意味があるのかも知れません。
まあ、無理ですけどね。