レコードラックにあるレコードを順に聴き直していますが、バロックが続きました。理由はレコードラックは作曲家毎に生誕順に並べてあるからです。

 

しかし、そうなると必然的に同じ作曲家が続くことになるので、いくら音楽好きでも飽きがきてしまいます。

 

そこで、今回からはランダムに選んで行こうと思います。一応手持ちのリストは作ってあるので抜けやダブりの心配はありません。

 

今回選んだのは、ノイマン/チェコ・フィルのヤナーチェクの「グラゴルミサ」と「シンフォニエッタ」が入ったレコードです。最後に拍手がありライブ録音であることが分かります。

 

 

 

🔷異端の香りがプンプン

 

かつてプラハ(チェコ)はヨーロッパ音楽の中心の一つでしたが、それはあくまでヨーロッパ音楽の一翼を担うというもので、音楽の独自性という意味ではスメタナが創始と言ってもいいでしょう。

 

スメタナは国民楽派として活躍しました、そしてその正当な後継者となったのがドヴォルザークです。ヤナーチェクは世代的にはドヴォルザークの後継になりますが、その音楽は全く違います。

 

ヤナーチェクは国内の民謡の収集に励んだということですが、元々民謡は昔の出来事を歌い継がれたものなので、ひと昔もふた昔も古いチェコの音楽が出来上がったのかも知れません。とにかく異端の香りがプンプンし、聴いたら最後、その魅力から逃れることは難しいでしょう。

 

🔷「グラゴル・ミサ」

 

ミサと名付けられていますが、教会でのミサとは全く関係がありません。重要なのはグラゴルの方で、古い時代のチェコで編み出された文字のこと。グラゴル文字は異様な形をしているものの整然と体系化されたものでしたが、いつしかキリル文字にその地位を奪われていきます。

チェコに過去の栄光をもたらそうという思いがグラゴルという題名に込められています。

 

しかしそんなことは知らなくても、この曲に込められた熱量は十分感じられます。

 

この曲を知らない聴いた事がないという方は是非一度聴いて頂きたいです。

 

40分ほどの長さ。最後の盛り上がりは興奮度MAXです。