レコードラックにあるレコードを順に聴いてみようと思います。
今回は「アーヨの四季」と題されたヴィヴァルディの「四季」のレコードです。
🔷イ・ムジチの「四季」の異例の大ヒット
1955年に録音されたイ・ムジチ合奏団の「四季」のレコードは950万枚を売り上げ、日本でも100万枚が売れました。「イ・ムジチの四季」として演奏団体、楽曲とも一気に認知度が上がります。
フェリックス・アーヨはイ・ムジチのコンサートマスターとしてこのレコードでソロイストを担当しています。
🔷ヴィヴァルディの「四季」
今更説明の必要がないほど知られてる曲ですが、元々はヴィヴァルディが「和声と創意の試み」としてまとめた12曲のヴァイオリン協奏曲の第1曲から第4曲を抜き出したものです。
それぞれ「春」「夏」「秋」「冬」の表題が付けられ四季の風物詩のような音楽になっているため「四季」と呼ばれます。
その後多くのヴァイオリニストが録音しています。
🔷アーヨの四季
このレコードはアーヨの再録にあたり、イ・ムジチではなくヴィットリオ・ネグリ指揮のベルリン室内管弦楽団との共演になっています。
イ・ムジチの方はその時々のコンサート・マスターといくつかの録音を残しています。
アーヨのヴァイオリンは今聴けば特に何かに抜きん出ているようにも聴こえませんが、流石に手慣れた演奏になっていると思います。
それよりもイ・ムジチとベルリン室内合奏団との違いが大きいと感じます。あるいはネグリという指揮者の個性なのかも知れませんが、彫りの深い演奏になっています。イ・ムジチの方はもっとおっとりしていた記憶があります。
実はこのレコードから攻めて「冬」だけでも載せておこうかと思ったのですが、アーヨの四季というイ・ムジチとの動画ばかりだったので諦めました。
その後この曲のレコードも増え、中にはアバド/クレーメルのような風景描写を強調した変わり者もあったりと色々ですが、私のような世代には「四季」といえばイ・ムジチという印象が強すぎて、このアーヨの再録は忘れ去られてしまう運命にあるように思えてしまいます。
ちなみに、イ・ムジチとのレコードも持っていたはずなのですが、昔引越しの際にレコードを長らく実家に預けたりと色々ある中でいつの間にか無くなってしまっていました。そんなレコードがいくつかあって今でも不思議な思いです。