ドビュッシーをいくつか聴きましょう。
クラシック音楽は時代と共に多くの作曲家が誕生してきましたが、全体が大きな流れの中でそれぞれの作曲家の個性が発揮されて来たと言えます。
そしてその大きな流れはドイツの音楽家が連綿と受け継いできました。
そんな中にあって、その大きな流れの脇にある大きな湖のような音楽家がフランス人の作曲家ドビュッシーだと言えます。
ドビュッシーの音楽は”印象派”と呼ばれる、独特の雰囲気を持ちます。
🔶「牧神の午後への前奏曲」
ドビュッシーを語る上でこの曲は外せません。ドビュッシーの実質的なデビュー作とも言え、この曲により印象派の作曲家として広く認知されるようになりました。
まずは聴いてみましょう。
演奏はジャン・マルティノンがフランス国立管弦楽団を指揮したものです。
🔶「弦楽四重奏曲」
私のドビュッシー体験には2つの白眉があります。その一つが「牧神の午後への前奏曲」なのですが、もう一つが「弦楽四重奏曲」を聴いたことです。
これは「牧神」以上に驚き、感銘を受けました。とにかく私が今まで聴き知っていた弦楽四重奏曲とは全く趣きが違いました。
響きは全く新鮮なのですが、どこか人懐こささえ感じさせるところがいい。
演奏はジュリアード弦楽四重奏団。
🔶「喜びの島」
「のだめカンタービレ」というクラシックの演奏家たちを題材にしたドラマがありました。ちなみにそれより前に「それが、答えだ」という同じテーマを扱った私にとっては思い出深いドラマもありましたね。それらの印象が強過ぎて最近の同じようなテーマのドラマは見る気がしないくらいです。
「のだめカンタービレ」を持ち出したのは、このドラマを通して私が知らない魅力的な音楽を知ったということがあったからです。
モーツァルトの「2台ピアノのためのソナタ」、シューベルトの「ピアノ・ソナタ第16番」と並んでドビュッシーのピアノ曲「喜びの島」を知ったのはこのドラマのおかげです。原作者の趣味の良さが表れています。
ドビュッシーのピアノ曲では「亜麻色の髪の乙女」を始め、聴いてすぐ魅了されてしまう作品もたくさんありますが、この「喜びの島」はそれらとは少し趣きが違います。
「亜麻色の髪の乙女」「月の光」「アラベスク」などのよく知られた曲は、「前奏曲集」のような何かの曲集の中の一曲です。この「喜びの島」も始めは「ベルガマスク組曲」の一曲になるはずでしたが、ドビュッシーは結局これを単独の作品として出版しています。
そんな事を知っておくのもいいかと思います。
ピアノは辻井伸行。
いかがでしたか?
もちろんドビュッシーをこれだけで語ることは出来ません。またいつか続きをやりたいと思います。