「交響曲」のマイベスト10を選んでいます。
各作曲家の「第1番」から「第9番」までを将棋の段位戦に準えてトーナメント形式で選択していきます。
そのうちの「第3番」の選考ですが、いよいよ決勝です。
ベートーヴェンとマーラー、どうなるでしょうか?
🔷戦前予想
ベートーヴェンは順当勝ち、対戦相手にマーラーが残るとは自分でも意外な結果です。
伏兵マーラーがどこまでベートーヴェンに迫れるか?
🔷ベートーヴェン「交響曲第3番」 カラヤン/ベルリン・フィル(ライブ)
前にベートーヴェンの「交響曲第3番」のマイフェヴァリットはフルトヴェングラーとウィーン・フィルのスタジオ録音と書いておきながらですが、ここではカラヤンに登場してもらいます。
クラシックは生でこそ聴きたいという思いからです。
さっき書いたことと全然違うじゃないかと言われそうですが、フルトヴェングラーは大事に宝箱に納めておきたい演奏。一方カラヤンの方はライブならでは一期一会を楽しみたいから。
と言っても当時のカラヤンの趣向もあって、事後撮影されたカットがいくつも挟まれますし、ちょっと興を削がれます。
しかしこのカラヤンの「これが私のベートーヴェンだ」と言わんばかりの演奏は、もちろんベルリン・フィルの力もあって聴きごたえ十分です。
それにしてもこの「英雄交響曲」はいいですよね。それこそ、いつ、何回聴いても飽きることがありません。
それではフィナーレをお楽しみ下さい。
🔶マーラー「交響曲第3番」 ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウ(ライブ)
マーラーの「交響曲第3番」は、何度も繰り返しますがこの企画で初めてまともに聴いた曲で、その素晴らしさに今更ながら驚いています。
最近、マーラーは歌曲の人だったと思うようになって、交響曲でも歌曲入りの「大地の歌」「交響曲第4番」辺りをよく聴くようになっていますが、その中でも「交響曲第3番」はどこか「交響曲第4番」の予告編のように思い違いをしていました。
作曲過程を見ると元々「交響曲第3番」の終曲になるはずだった楽章を使って「第4番」が書かれているので、親子の関係といった方がいいのかも知れません。
また「第4番」が天上の生活を描いたのに対し、「第3番」は自然から受ける畏れ、憧れが描かれます。
この曲はまだまだマイナーなのでyoutubeでのライブ動画もそれほど多くありません。予選、準決勝でバーンスタイン、アバドのライブを聴いてきましたが、決勝はハイティンクに登場してもらいます。
「えっ、ハイティンク?」という声が聞こえてきそうですが、ロイヤル・コンセルトヘボウ、私のような年齢の方にはアムステルダム・コンセルトヘボウの方が通りがいいかと思いますが、アムステルダムは旧称になってしまいました、は本当にいいオーケストラです。
レコードやCDではフィリップス録音ということもあって、素晴らしい音を聴かせてくれます。
ハイティンクは若干30代ででヨッフムの後任としてアムステルダム・コンセルトヘボウの首席指揮者に抜擢されたほどの人ですが、その演奏にハイティンクならではのものを感じることが少なく、人気は無いですよね。
私がこの人を見直したのは、ウィーン・フィルと録音したブルックナーの「交響曲第3番」の素晴らしさを知ってからです。
あれは本当に良かった。ただその余勢をかって聴いたブルックナーの「第5番」はそれほどでも無かったという私にとって腑に落ちない指揮者でもあります。
さて、ハイティンクのマーラー「交響曲第3番」はどうでしょうか。良かったです。
フィナーレを聴いてみて下さい。
🔶判定
マーラーの「第3番」もかなりいい曲とは思いますが、やっぱり「英雄交響曲」です。
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「第3番」はベートーヴェンとなりました。
次回は「第4番」対決です。