「交響曲」のマイベスト10を選んでいます。
各作曲家の「第1番」から「第9番」までを将棋の段位戦に準えてトーナメント形式で選択していきます。
「第1番」はブラームスでカラヤン/ベルリン・フィルの演奏で決定。今回から「第2番」のベストを選ぶ二段位戦を始めます。
エントリーしたのは下記の作曲家たちです。
初戦はメンデルスゾーンvsシューマンです。
🔷メンデルスゾーンvsシューマン
当初メンデルスゾーンは「第3番」からエントリーと考えていましたが、声楽を導入した「第2番」には前々から興味がありましたので、急遽参戦させました。
対するシューマンの「第2番」はシューマンの交響曲の中でもマイナーな存在かも知れませんが、大好きな曲です。
🔷メンデルスゾーン「交響曲第2番”讃歌”」 カラヤン/ベルリン・フィル
この曲は、グーテンベルク印刷技術発明の400周年記念行事のため、ライプツィヒ市からの委嘱を受け書かれているもので、メンデルスゾーンも合唱を取り入れ祝祭的な楽曲に仕上げています。
この曲は聴いたことが無いので、シューマンが素晴らしかったサヴァリッシュで聴いてみてあまりピンと来ず、これではシューマンには敵わないかなと思いましたが、それでもとカラヤンとベルリン・フィルで聴き直してみました。
驚きました。カラヤンの上手さとはこういうものかと改めて知りました。その滑らかで淑やかな響きはサヴァリッシュが素っ気なく思えてしまうほどで、曲そのものの感じ方が違ってきます。
カラヤンはメンデルスゾーンとマーラーには中々手を付けませんでした。立身出世のためナチに入党までしているので、ユダヤ人嫌いだからと言われたものです。
この「第2番」はそんな風評を吹き飛ばすような美演になっています。
この曲は明らかにベートーヴェンの「第九」を意識した、祝祭的な曲になっていて、長さも「第九」と同じくらいです。この曲は2部構成ですが実質4楽章制となっていて、最終楽章にあたる第2部に独唱と合唱が入ります。
フィナーレで堂々と歌い上げるコーラスの高揚感はメンデルスゾーンではあまり聴いたことがありません。
この曲は実質メンデルスゾーンの4作目の交響曲で、「イタリヤ」や「スコットランド」のチャーミングさはありませんが、その堂々たる構えの大きさは必聴です。
🔷シューマン「交響曲第2番」 バーンスタイン/PMF
この曲の演奏では、バーンスタインがPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌)で指揮したライブ動画があって、これを持ち出すのはズルイかも知れません。
この演奏でバーンスタインはドラマみたいなことをやります。
こんなの見せられたら、そりゃ感動してしまいますよ。
バーンスタインが指揮者になって、初めて指揮をしたのがこの曲だったそうで、この演奏から相当の愛着を感じているのが分かります。
この動画にはリハーサル風景も入っているのですが、第3楽章のあの美しい旋律を弾かせて、「これが音楽なんだ」と団員に説明するところなんか本当に素敵です。
🔶判定
カラヤン対バーンスタインみたいになってしまいました。カラヤンがメンデルスゾーンで聴かせた完成度の高さは並大抵なものではありませんが、若い団員たちと作り上げたバーンスタインのライブならではの感動が少し上回っていたと感じます。
やっぱりライブは少しズルかったかも知れません。
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現状です。
次回は、ベートーヴェンと今回勝ち上がったシューマンの対戦です。