さて、今回の”私の視聴室”のテーマは”音楽”です。

 

・キーシンの弾くプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番」のCD

・キーシンの弾くプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」のCD

 

を聴いていきます。

 

🔷プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番」 キーシン、アシュケナージ/フィルハーモニア

 

 

前回の視聴室で取り上げた映画「蜜蜂と遠雷」の影響です。プロコフィエフの「ピアノ協奏曲」には殆ど関心を持っていませんでしたが、映画で取り上げられた箇所は意外と分かり安く、聴いてみようと思った次第。

 

まずピアニストのキーシンは、ついこの間ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲」を聴いて感心したばかり。解説によるとこの曲はプロコフィエフが書いた5つの「ピアノ協奏曲」の中でも人気の高い作品だそうです。期待が膨らみます。

 

感想は、”いい曲だ!”の一言に尽きます。

 

プロコフィエフでは「ヴァイオリン協奏曲第2番」が大のお気に入りなのですが、プロコフィエフは「交響曲」なんか聴くよりも、こういった「協奏曲」の方が格段に面白いと思います。

 

この曲の楽譜は革命騒ぎの中で紛失していて、今演奏されるのはプロコフィエフが記憶を頼りに改めて譜面を書いたもので、その際元々持っていた前衛性が弱まったとも書かれていますが、結果的にそれがいい方向に向かったのではないかと思います。

 

この曲は古今数多に書かれた「ピアノ協奏曲」の中でも抜きん出て魅力のある音楽だと思います。音楽を聴いて半世紀が過ぎてもなお、こういう出会いがあるんですね。

 

 

🔷プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」 キーシン、アシュケナージ/フィルハーモニア

 

 

同じCDでのカップリング。

 

この曲も「第2番」と似たような趣を感じさせますが、一人の作曲家が書いたものなので当然でしょう。

 

「第2番」に比べるとよりリズムを強調した風に聴こえますが、どちらも初めて聴くので確信はありません。

 

”初めて聴く”と書きましたが、それぞれの人がその音楽を自分の好みに合わせて”合う”、”合わない”と感じる訳ですが、それが直感的であったり、何度も聴くうちにそうなるいう違いがあります。

 

私の場合、今回聴いたプロコフィエフは”直感的”に合った曲になります。”何度も聴くうちに”というパターンはあまりありませんが、大体はそれまでその作曲家なりに対して抱いていたイメージと違った場合に起こります。

 

これはクラシックでは無いですが、ビートルズの「サンジェント・ペパーズ」がそうでした。それまで”シー・ラブズ・ユー、イエー、イエー、イエー!”というポップなイメージしか無かった私にとって「サージェント・ペパーズ」はレコードを買ったことを後悔させる程のガッカリ感がありました。

 

しかし、今では”「サージェント・ペパーズ」はビートルズの最良面を表したアルバムの一つ”という感想に変わっています。クラシックに戻ればマーラーの「大地の歌」がそれに当たります。今ではこの曲はマーラーの「交響曲」の中のベストだと思っています。

 

この曲の第3楽章はプロコフィエフが日本滞在中に耳にした”越後獅子”にヒントを得たとも言われてるようです。

 

これも素晴らしい音楽です。正直プロコフィエフは「ヴァイオリン協奏曲第2番」以外聴くべきものは無いくらいに思ってましたが、全く的外れでした。

 

プロコフィエフの「ピアノ協奏曲」をもっと聴いてみたくなりました。