少し前に、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ」の第1番から第11番までが納められた楽譜を買いました。

 

中古で¥200という値段に釣られたのですが、結局配送費がかかって¥550。それでもお値打ちです。

 

別にピアノが弾ける訳でもないのですが、音符を追いながら演奏を聴くというのも面白いものです。

 

 

中古ならではですが、元の持ち主は「ピアノ・ソナタ第4番」のレッスンを受けていたらしく、至る所に書き込みが、ピンクやらブルー、そして鉛筆でされていて、何となくその人(子?)のキャラクターが伝わってきたりします。

 

さて、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ」を改って聴こうと思った時に、どうしても引っ張り出してきたくなるのが、バックハウスの「全集」のレコード。

 

 

”改って聴く”というと堅苦しいイメージですが、グルダでベートーヴェンを聴きたいと思う時は”曲を楽しみたい”という感じですが、バックハウスだと”聴かせて頂く”という気持ちになってしまいます。

 

ベートーヴェンは、その音楽はとても論理的だと感じます。だから音楽がスッと入ってくる感じがします。そしてそんな音楽にはバックハウスが相応しい。

 

書き込みのある楽譜を片手にバックハウスで「ピアノ・ソナタ第4番」を聴いてみます。

 

🔸ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第4番」

 

ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ」は、「第1番」から「第32番」まで何を聴いても聴き応えがあります。

 

この「第4番」も有名な「悲愴ソナタ」や「月光ソナタ」に何ら遜色がある曲ではありません。もちろん晩年の達観した曲たちとは趣が違いますが、ここには”勢い”があります。ベートーヴェンが世に問おうとする強い姿勢が一音一音に込められています。

 

中古の楽譜に書かれている、”遅くならない”とか”きれいに”とか”メロディ”とかの書き込みは演奏上の注意というよりこの本の持ち主のくせを直そうとしているようです。

 

しかし沢山の書き込みは第一楽章で終わってしまっていました。

 

ここでやめてしまったのか、それともショパンにでも移ったのか、想像を逞しくしてしまいます。

 

中古の楽譜、案外面白いものでした。できたらベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ」を全部揃えたいですが、この第1集に続く楽譜の中古は無いみたい。