古い映画ですが、「遠い夜明け」を観ました。

 

大好きなデンゼル・ワシントンが出ているから観たのですが、作品としてとても優れていると感じたので紹介します。

 

南アフリカのアパルトヘイト政策に対抗する黒人たち、という構図です。

 

重要な登場人物が二人、一人は黒人たちの若きリーダー、スティーブ・ビゴ(デンゼル・ワシントン)、もう一人が地元新聞社の編集長、ドナルド・ウッズ(ケヴィン・クライン)。

 

ビゴは警察の監視のもと長年幽閉生活を送っていますが、チョコチョコ抜け出して息抜きをする度胸と才覚の持ち主。ウッズはそんなビコから想像以上に悲惨な黒人たちの生活ぶりを教えられショックを受けます。

 

この映画は、ウッズの書いた本を元に製作されていて、ウッズが実際に経験したノン・フィクションです。監督はリチャード・アッテンボロー。監督作品としては「遠すぎた橋」が面白かった記憶があります。しかしそれよりも「ジュラシック・パーク」でパークを作り上げた金持ちの老人を演じた俳優としての記憶の方が新しい。

 

この映画は158分という長編ですが、一瞬足りとも目が離せませんでした。それがお勧めする最大の理由です。

 

観る前はデンゼル・ワシントン主演作品と思い込んでいましたが、デンゼル演ずるビコは映画半ばで死んでしまいます。後半はウッズが海外で本を出版するため家族共々亡命するためのハラハラドキドキが続きます。

 

南アにおける黒人たちへの弾圧ぶりをクールながら、強く訴えてくる演出が見事。

 

南アにおける強い白人至上主義が現在どのような状況にあるのかは知りませんが、少なくとも歴史に刻まれた悲惨な出来事は消し難い事実なんだと訴えます。