まだまだ日中は暑いですが、それでも少しずつ秋の気配を感じるようになってきました。

 

”秋”と聞くと何故かブラームスが聴きたくなります。

 

何かで”ブラームスは秋が似合う”といったような文章を読んだ記憶があるので、そのせいかも知れませんが、何となく秋が似合う音楽だとも思います。

 

それでもまだ暑いですから、”せめて暑苦しくないブラームス”、と考えて引っ張り出してきたのがセル/クリーブランドのレコード。

 

 

「第1番」「第2番」がセル、「第3番」「第4番」がワルターという企画ものの三枚組のアルバム。

 

今日はセルの2曲を聴いてみます。

 

拍子抜けするほど、あっさりと始まる「第1番」。しかし只者ではない。

 

セルの楽器と称されたクリーブランド管弦楽団のアンサンブルは見事。いくら楽器が重なっても混濁感は全くしない。

 

セルは全体を速めのテンポで演奏しますが、気が付かないくらいのテンポの動かしでニュアンスもたっぷり。

 

カラヤンの演奏に慣れた耳にはちょっと軽く感じてしまいますが、これはこれで十分だと思います。

 

「第1番」をやっとのことで書き上げ、すっかり自信が付いたブラームスが今度はあっという間に書き上げた「第2番」。ブラームスの4曲の中では一番好きです。

 

セルにはこちらの方がいい。

 

「第1番」の演奏には”他の指揮者はこうやってた”と思ったりしましたが、「第2番」では全くそんなことがない。名演だと思います。

 

秋風を思わせるような第二楽章はブラームスの書いた最良の音楽の一つ。ここでもクリーブランドのアンダンブルが光ります。

 

そして怒涛のフィナーレ。クリーブランドの金管群が火を吹きます。

 

セルとクリーブランドの「第2番」素晴らしかったです。