今回もベルリン・フィル ディジタルコンサートから。
2010年2月14日
クルターク:シュテファンの墓碑
シベリウス:交響曲第4番
ベーートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ピアノ:内田光子
指揮:サイモン・ラトル
🔸クルターク シュテファンの墓碑
ステージ上の指揮者の左側、いつもヴァイオリンが陣取っているスペースにギター奏者が
一人。右側にはヴィオラ、チェロ、コントラバスが1名から2名。それを遠くに囲むよう
に打楽器群、木管、金管と並ぶ。
ギターは終始コードをアルペジオで弾くだけ。あまり面白みのない曲だった。
🔸シベリウス 交響曲第4番
つい最近ブロムシュテットで聴いたばかりなので、どうしても比較してしまう。
ラトルはメリハリをつけた演奏を聴かせるが、何となく隙間風が吹くようなところがあっ
て集中できなかった。
🔸ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
コンサートのメインに置かれただけあって、ラトルも最も力を入れたと感じられる。ラト
ルのベートーヴェンはラトルの退任記念コンサートで「運命」を聴いて、この曲にまとわ
りついた色々なものを全て取っ払ったような演奏に感銘を受けたばかり。
ステージ上の配置が面白い。
弦楽器が左右に広がるのは普通だが、指揮者の正面の弦楽器の後ろに木管をまとめ、その
後ろに金管。指揮者から見て左斜め奥、右斜め奥には誰もいない。
この「皇帝」も同じスタイル。内田のピアノの「皇帝」らしからぬ繊細でクリアなタッチ
もラトルのニューベートーヴェンに似合ったものだった。