「ベルリン・フィル デジタルコンサート」7日間無料の間に沢山試してみようと、色々検索しても迷うばかり。
「そうだ、聴きたい曲で選ぼう」
考えてみれば、コンサートって誰々というのありますが、曲目も重要ですから。
そうなると、今ならショスタコーヴィチの「交響曲第10番」が一押しです。この曲にはカラヤン/ベルリン・フィルの最高の名演がありますから、それとの比較も面白そう。
探してみると、2021年10月29日のコンサートで演奏されてました、
2021年10月29日
メンデルスゾーン 交響曲第3番「スコットランド」
ショスタコーヴィチ 交響曲第10番
キリル・ペトレンコ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(当然ですね)
キリル・ペトレンコはサイモン・ラトルの後任としてベルリン・フィルの首席指揮者になった人で、沖澤のどかさんがベルリン・フィルのアシスタントコンダクターをやっていた時の印象を語ってますが、「24時間音楽しかない人」と言ってました。
それにしても、メイン曲でも通る「スコットランド」を前座に持ってくるとはすごいことをしますね。どうなるんでしょうか。
📺 視聴開始
コンマスの席に樫本さんが座っていてます。女性奏者が目立ちますが、とうとうベルリ
ン・フィルどころかウィーン・フィルでさえ、世論に耐えきれず女性を団員にするよう
になったとのことです。当たり前でしょうね。
オーケストラを見ると弦楽器に人数を減らしています。
メンデルスゾーンが始まってすぐに気づくのが弱音での弦の響きの柔らかさ。見ると弦
楽器は弓を指板に近いところで弾いています。明らかに指揮者の指示です。
そして驚いたことにメンデルスゾーンは終始この弱音を基本として、フォルテでもオー
ケストラをは70から80%くらいまでしか鳴らしません。次のショスタコーヴィチを
このコンサートのクライマックスに持ってくるためでしょう。頭のいい指揮者です。
これはこれで新鮮でしたが、最後までこれで行きそうで大丈夫?と思っていたら、さす
がペトレンコ、コーダで若干テンポを上げることで見事な終わり方でした。
メインのショスタコーヴィチ。
メンデルスゾーンと打って変わって、最初からオーケストラを全開します。上手いな
あ。
ただ、カラヤンとは何か違います。カラヤンはショスタコ臭を抑え純音楽的に見事な演
奏を聴かせてくれましたが、ペトレンコはそのショスタコ臭というのか少し重たい感
じ。
やはり同国人ならではのものがるのでしょうか。
第一楽章からベルリン・フィルの演奏は見事なものでしたが、やっぱり聴かせどころは
第四楽章!
カラヤンの方がより聴かせ上手だったようには思いますが、ペトレンコ指揮のベルリ
ン・フィルのアンサンブル能力を見せつけられるかのような迫力で堪能しました。
いやー、こんなコンサートを家に居ながらにして気軽に楽しめるなんて。
カラヤンは随分昔からテレビでのコンサート放映の考えを持っていて、新しいベルリン
のフィルハーモニーホールにはミキシングルームも備え付けられています。こんな事が
出来るのもカラヤンの先見の明のおかげですね。
ウィーン・フィルでも同じような配信をしてくれたら最高なんですが、ソフィエンザー
ルにそんな設備は無いでしょうから無理ですよね。
これからますます外出しなくなりそうな予感がしています。