🎵手持ちのレコード、CDを番号を付け、乱数で今回聴くものを選んでいます。

  全部聞き直したい!

 

それでは次の”乱数”(乱数アプリで生成してます)は、

 

    「824」

 

🔸曲目と演奏者

 

  クレンパラーのメンデルスゾーン。一部で評価の高い録音です。

 

   メンデルスゾーン 交響曲第3番「スコットランド」

            交響曲第4番「イタリア」

 

        オットー・クレンペラー指揮のフィルハーモニア管弦楽団

 

        1960年録音のレコードです。

 

🔸メンデルスゾーンの交響曲の作曲順について

 

  メンデルスゾーンは自作の出版に関しては慎重だったらしく、なかなか出版の許可を出

  さなかったそうです。

 

  そんな理由があってか、曲に付けられた番号と実際の作曲順が大きく違っています。実

  際に書かれた順に並べ直すと、

 

   交響曲第1番

   交響曲第5番「宗教改革」

   交響曲第4番「イタリア」

   交響曲第2番「讃歌」

   交響曲第3番「スコットランド」

 

 となります。

 

🔸クレンペラーについて

 

  クレンペラーについては以前このブログでモーツァルトの交響曲を聴いた時に「各楽器

  を明瞭に演奏させ、クリアな響き」と書きましたが、この多彩さは管弦楽曲に向いてい

  るのでは、とも感じました。

 

  メンデルスゾーンの「スコットランド」と「イタリア」。交響曲としての形はちゃんと

  持っていますが、どこか交響詩風の趣があってクレンペラー向きとも言えるかも知れま

  せん。

 

🔸感想

 

  「スコットランド」はメンデルスゾーンがスコットランド旅行中にある宮殿にある修道

  院跡で最初の16小節を書き留めています。

 

  しかしクレンペラーで聴くと、そういう淡いイメージとは違って響きます。

 

  確かにこの曲にはそういった感傷性以上に何か訴えてくるものがありますよね。メンデ

  ルスゾーンはスコットランド旅行の前にバッハの「マタイ受難曲」の蘇演を行っている

  ので宗教的な気分が昂まっていたのかも知れません。

 

  何もクレンペラーの「スコットランド」からバッハが聴こえてくるということではあり

  ませんが、一般的なこの曲のイメージとは明らかに違います。

 

  それがいいことなのかどうか判断がつきませんが、この曲の一つの演奏の仕方としてあ

  りだと思いますし、クレンペラーの多彩でありながら重厚な演奏は一聴の価値ありだと

  思います。

 

  ゆったりとした時の流れを感じさせる第三楽章は絶品です。

 

  「イタリア」も同傾向ながら、やはり聴くべきは「スコットランド」でしょう。

 

🔸「スコットランド」」の第四楽章について

 

  このブログを書くにあたって調べらていたら面白いことが書いてありました。

 

  この1960年の録音でクレンペラーは最四楽章の終わりは普段よく聴くものですが、

  1966年のバイエルン放送交響楽団を指揮したライブ録音では最後の95小節をカッ

  トして、音楽は短調のまま静かに終わるとありました。

 

  参考までにバイエルンとの最後の部分を貼り付けておきます。

 

  いかがですか?

 

  それにしてもクレンペラー版まで作るとはクレンペラーのこの曲に対する愛着のほどが

  感じられます。