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今となっては古色蒼然とした感じを受けると思いますが、野村芳太郎監督の重厚な
映画作りが十分に発揮された作品だと思います。
黒澤明といった超有名人ではありませんが、野村芳太郎といえば松本清張作品の映
画をよく観ました。
大岡昇平さんの小説を映画化したものです。今では映画の一つのジャンルになって
いる法廷劇のはしりと言えます。
舞台は神奈川県厚木市付近と出ていましたが、上田宏(永島敏行)という造船
所の工員が知り合いの坂井ハツ子(松坂慶子)という呑み屋のママを刺し殺し
た事件の裁判を描いています。
検察側は岡部検事(芦田伸介)、弁護側は菊池弁護士(丹波哲郎)の攻防を谷本裁
判長(佐分利信)が裁くという豪華な顔ぶれです。
たくさんの俳優さんたちが出てましたが、ちょっとした役の人も個性豊かで面
白かった。
事件当日、上田宏とハツ子が自転車に相乗りして店の前を通ったことを証言する青
果店のおばさん(北林谷栄)とかね。
ハツ子の妹のヨシ子役の大竹しのぶさんも体当たりの演技で頑張ってました。
森繁久彌さんをはじめとする脇役陣も充実していて、これで悪い映画になるはずが
ありません。
現実の裁判でそれが行われいるか知りませんが、やろうと思えば出来るということ
だと思います。
本当に細部まで作り込んでいました。それにより映画に厚みが出ています。