以前、今は交響曲といえばブルックナーとマーラーって言ったこと覚えてますか?
マーラーの交響曲の人気は高く私も大好きで何度も聴いてきていますが、マーラー
は彼の交響曲よりも数倍も素晴らしい歌曲をいくつも書いているんですよ。
マーラーの交響曲ってどこか誇大妄想的なところがあって、それが人気の理由の一
つではあるんですが、彼の歌曲集には交響曲の魅力の核のような曲がたくさんある
んですよ。
歌曲ってピアノ伴奏というイメージだと思うんですが、マーラーの一連の歌曲集は
オーケストラなんですね。そのオーケストラがまるで彼の交響曲を聴いているかの
ように雄弁なんですよ。
まずはマーラーが一つのテーマによって書いた最初の連作歌曲集「さすらう若者の
歌」から聴いてみましょう。4つの歌で出来ている小規模なものです。
1 恋人の婚礼の時
2 朝の野を歩けば
3 僕の胸の中には燃える剣が
4 恋人の青い目
ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウがフルトヴェングラー指揮のウィー
ン・フィルと共演した録音から。
”恋人の婚礼の時”
マーラーの交響曲は聴いてないので比較は出来ませんが、私がイメージしてい
た歌曲とは確かに違います。
”朝の野を歩けば”
この曲は彼の「交響曲第1番」にも使われてます。ここでこの録音について触れて
おきます。
フルトヴェングラーは1952年の6月にイギリスでフィルハーモニア管弦楽団と
ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」を録音してるんですが、それが終わった後
EMIの敏腕プロヂューサーがフルトヴェングラーにフィッシャー=ディースカウと
この曲を録音すべきだと説得したことでこの録音が生まれました。
この録音が終わった時に、フルトヴェングラーがフィッシャー=ディースカウに
「このレコードが君を有名にするね。」と声をかけたそうです。
歌のことはよくわかりませんが、フィッシャー=ディースカウって人が素晴ら
しかったってことですよね。
私も歌手の技量について知識はありませんが、フィッシャー=ディースカウが最高
レベルの技量を持った歌手であることは多くの人が認めてますね。
”僕の胸には燃える剣が”
マーラーの交響曲を聴いているようです。だから交響曲を聴く必要がないという訳
ではありませんが。
”恋人の青い目”
歌曲って馴染めないかなと思ってましたが、違ってました。案外面白いんです
ね。
マーラーはまだ他にも連作歌曲を書いていますので、いつか紹介しますね。
今日も素晴らしい音楽を聴かせて頂きました。次も期待してます。
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