「今回はチャイコフスキーの序曲『1812年』です。」

「変わった題名ですね。」

「1812年はナポレオンのロシア遠征が行われた年で、聴けば分かりますがナポレ

   オンの行軍を表すフランス国歌「ラ・マルセエーズ」が使われ、やそれを退けるロシ

   ア帝国国家が朗々と鳴り響きます。しかしこの曲の最大の聴き物は後半に大砲が使わ

   れていることですね。」

「実際の演奏でも大砲が使われるんですか?」

「一般の演奏会ではバスドラム等で代用されますが、屋外の特別な演奏会なんかで実

   際の大砲が鳴らされたりしますね。自衛隊の音楽隊の演奏動画も観られますが、流石

   に大砲の音は凄いですよ。あと録音されたものは録音された大砲の音を使ってます

   ね。」

「早く聴いてみたいですね。」

「その前に一つ、この曲はチャイコフスキーの自発的なものではなく、頼まれ仕事だ

   ったんですね。当初は『自分自身が感動しないであろう作品に手を付けることはでき

   ない。』と言っていますが結局は書き始めますが、『序曲はおそらく騒々しいものに

   なる。私は特に愛情を持って書いたものではない。』とメック夫人や出版社への書簡

   に書いています。」

「聴く前から、ちょっと心細い話ですね。」

「でも祝祭的な雰囲気がよく出ていて、高揚感がたっぷり味わえる小品ですよ。」

「先生が推薦される演奏は?」

「実際の大砲が使われた演奏動画もありますが、ここはやっぱりカラヤンとベルリ

   ン・フィルで決まりです。カラヤンはこう言った小品でも手を抜かないとはよく言わ

   れることですが、素晴らしい演奏になっています。カラヤンは冒頭に合唱が入る後の

   人の編曲版を使っています。録音された大砲の音も凄まじい効果をあげてます。」

 

🎵(試聴中)

 

「参りました。最初に大砲が鳴って、弦楽器が段々と降りてきて、降りきった所で鐘

   の音が鳴り渡るところなんて感動しやいましたよ。」

「そして最後テンポアップしてからの追い込みも興奮させられましたね。」

「楽しい曲をありがとうござました。次の曲も楽しみにしています。」

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 「この記事が新たな出会いのきっかけとなれば幸いです。」