🎥 手当たり次第に映画を観て感想を書いています 🎥

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今回は「ドライブ・マイ・かー」を観てみました。実は2回目です。

 

◇映画の制作年、制作国、主なキャスト

 

  2021年の日本映画です。

 

  周知の通り、アカデミー国際長編映画賞を獲得してから日本でも話題になった映画で

  す。

 

  家福悠介(西島秀俊)

   幅広い演技ができる数少ない役者さんですね。

  家福音(霧島れいか)

   妖しい雰囲気を持つ大人の女性を見事に演じています。

  渡利みさき(三浦透子)

   家福の広島でのドライバー役、存在感のある女優さんです。

  高槻耕史(岡田将生)

   戯曲でワーニャが配役されます。いつもながらの演技でした。

  ジャニス・チャン(ソニア・ユアン)

   戯曲で美しいエレーナが配役されます。現代的な若い女優さん。

  イ・ユナ(ヨー・リム・パーク)

   戯曲でソーニャが配役されます。耳は聞こえるが会話は手話という役柄です。   

 

◇軽いネタバレを含む程度の内容紹介

 

  家福悠介(西島秀俊)は成功した俳優・舞台演出家で妻の音(おと、霧島れいか)も脚

  本家として多くのドラマを手掛けています。音が脚本のアイデアを思いついたり、家福

  が台詞を覚えたりする際の行為は映画で観てください。

 

  家福はある時妻が浮気をしている現場を見てしまいますが、そのことを妻には問い詰め

  ず、そのことが無かったように夫婦生活を続けていきますが、ある日家福の出がけに音

  が「今日帰ったら少し話ができる?」と深刻な表情で尋ねます。帰りづらい家福は遅っ

  くなって家に帰ると、音が亡くなっているのを発見します。急性くも膜下出血でした。

 

  二年後、広島に演出家としてチェーホフの「ワーニャ伯父さん」の依頼を受けます。配

  役のオーディションに妻の浮気相手(岡田将生)が来ていて内心穏やかでない家福でし

  たが……。

 

  チェーホフの戯曲そのもののような家福の心の動きが徐々に明らかにされていきます。

 

◇見どころ

 

  チェーホフの戯曲「ワーニャ伯父さん」のことを知っておくことはこの映画を観る上で

  必須です。

 

  (概要)✳︎Wikipediaより

  本作の日本語訳者の一人である浦雅春は、本作を(希望のある未来や、希望の断絶によ

  る未来の喪失を結末とする)「青春文学」に対比される「中年文学」(「永遠の現在」

  を描く)と評しています。

 

  作者自身によって「田園生活戯曲」と銘打たれたこの作品は、年老いた大学教授の田舎

  の領地を舞台に、教授がこの領地を売りに出す提案をすることで引き起こされる騒動を

  チェーホフ独特の筆致で描いています。

 

  以下、MOVIE WALKER PRESSからの引用です。

 

  一九世紀の末のロシア、限りなく寂しい灰色の空虚感にみちみちた時代。義兄滋兄の老

  教授セレブリャコフ(映画ではジン・デヨンが演ずる)が大学を退職して、若く美しい

  後妻のエレーナ(ソニア・ユアン)を連れて田舎の邸に帰ってきてからは、それまで規

  則正しかったこの邸の生活は一変してしまった。昼顔に起きだしたり、突拍子もなく夜

  中にベルを鳴して召使を呼んだりする教授の気ままな生活態度を見続けているうちに、

  ワーニャ(岡田将生)は今まで義兄のためと思い領地の経営に専念してきた自分の生き

  方に疑問を抱き始めていた。ワーニャの知的生活の光明であるはずの老数授への不信

  が、生きる目的の喪失を招いたのである。この暗然たる気分からのがれるためにワーニ

  ャは酒を飲み続けるようになった。今この領地で働いているのは姪のソーニャ(ヨー・

  リム・パーク 手話)だけであった。ワーニャの古くからの友人の医師のアーストロ

  フ(岩瀬亮)が老教授の診察を兼ねてこの邸を訪れた。貧しい人々の病気をなおしなが

  ら乱伐の続くロシヤの森の将来を気づかうアーストロフもまた酒で気をまぎらわす日々

  を送っていた。このアーストロフを尊敬し、ひそかに恋しているソーニャは喜々として

  彼をむかえるのだった。しかしアーストロフの気持は、老教授の後妻エレーナに向いて

  いた。一方ワーニャもエレーナにひかれていた。アーストロフへの愛を胸に秘めて若し

  み悩んでいるソーニャは彼の自分に対する気持を聞いてくれるように頼んだ。しかしそ

  の結果をソーニャに伝えることはできなかった。ある日、突然老教授が家族全員に集合

  を命じた。集った人々を前にして、彼はこの土地を売却して、その金で別荘を買い、都

  会にもどって生活することを提案した。借金だらけだったこの家の財政を、自分の青春

  をも、才能をも犠牲にして立て直し、二十五年もの間にわたってせっせと教授に金を送

  り続けていたワーニャの努力は完全に老数授に無視された。今こそ、セレブリャコフの

  俗物ぶりに気がつき怒り狂ったワーニャは彼を射殺しようとピストルを乱射した。数時

  間後、騒ぎはおさまった。教授はエレーナと一緒に、都会へ帰っていった。アーストロ

  フも帰り、以前の静けさがもどってきた。残された人生をじっと堪え忍んで生きていか

  なければならないワーニャ伯父さんを、失恋の痛手に悩むソーニャがそっと慰める。

 

◇個人的評価

 

  評価点 38点/60点

 

  着想の目新しさ  ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

           村上春樹さんの小説を映画化

  脚本の面白さ   ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

           どこまで原作に忠実なのか分かりませんが、斬新です

  演技の確かさ   ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

           全体に抑えた演技

  映像の魅力    ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

           映画らしくないクリアな映像がいい          

  音楽       ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

           音楽で雰囲気を高める映画ではありません

  感銘度      ⭐️⭐️⭐️⭐️

           チェーホフの戯曲のことを知らないと分かりにくい

 

皆さんは、どうでしょうか。