THE FALL警視ステラ・ギブソン ジリアン・アンダーソン主演 | 映画ドラマ芝居のとびら(映像全般)

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特に海外の映画・ドラマが大好きです。心を動かされたセリフや感じたこと、紹介したい作品などについて、つぶやいていきたいと思っています。

THE FALL
警視ステラ・ギブソン


イギリス🇬🇧

第1シーズン 2013年5月

第2シーズン 2014年11月

第3シーズン 2016年9月


第1シーズン監督:ヤコブ・ヴァーブリューゲン

第2、3シーズン監督:アラン・キュービット


出演者:

ステラ・ギブソン/ロンドン警視庁の警視(ジリアン・アンダーソン)

ポール・スペクター連続殺人犯(ジェイミー・ドーナン)

ジム・バーンズ/北アイルランド警察の警視長(ジョン・リンチ)

トム・アンダーソン/巡査部長(コリン・モーガン)

マシュー・イーストウッド/警部(スチュワート・グラハム)

ダニー・フェリントン/巡査(ニーヴ・マグレディ)

ケイト・ベネデッド/ベビーシッター(アシュリン・フランシオーシ)

サリー・アン・スペクター/ポールの妻(ブロナー・ウォー)

ローズ・スタッグ(ヴァリーン・ケイン)


※ずいぶん前に放送は終了しておりますが、私、シーズン2途中までしか観ておりませんので主要出演者がこの後、変更があるのかも知れません。お許しください。




この作品は刑事ドラマです。でも、犯人探しではなく、犯人と警察との心理戦を細かく描き出すことで視聴者にも犯人がなぜ犯行におよぶのかを体現させます。


我々がいつも見てきた犯人は誰?という謎解明としての話の進み方ではありません。最初から容疑者が特定されていて、犯人の難解な心理についての捜査が続きます。犯行に至る心理、死ぬ被害者と死なない被害者の違い、家族を持ち仕事もある犯人の犯行の行動の謎、謎、謎。


犯人だけしか知らない心の闇に向き合う冷静なステラ警視。2人の対決はいつなのか。お互いが出会う前なのにお互いのことをよく知っているかのように対峙する2人から視聴者は目が話せなくなります。






タイトルの「THE FALL」の意味を調べたら「秋」でした。
秋?んー?どうゆーこと?謎
うーんと思っておりました。



☝️【THE FALL】について
クリエイターのアラン・キュービットによると
トーマス・スターンズ・エリオット(詩人)の
詩の一節『The Hollow Men(うつろな人間)』
にちなんでいるとのことです。


The Hollow Men』からの一節
"Between the idea and the reality Between the mo tion and the act falls the Shadow"




訳してみると、
「アイデアと現実の間、行動と行為の間に影が落ちる」
になるようです。文才なく申し訳ありません。難しいです。わかりませぬ絶望哲学者のような方の詩ですもの。
これより前に書かれている長い詩を読むとステラ警視が様々な場面で発するセリフに繋がるように思います。事件、殺人が起こるたびに理解し難い犯人と向き合い「生きるとは?」「死するとは?」と真理を問い続けるステラ警視哲学的な思考を感じるのですが…。まだ、全編観ておりませんので、どこかで、何か確信できるものが見つかりますように。

『The Hollow Men』「うつろな人間」という言い方に/空ろな人間/うつろな人間たち/うつろな人々/などの表記があります。

この「うつろな人間」という詩は村上春樹さんも取り上げておられますが、私にはとても難解でわかりません。shadowはどう訳せばいいのか。どう受けとめればいいのか。

私はステラ警視の発言や行動には強さと憂いを感じます。初めはXファイルのスカリー捜査官が見え隠れしていたのですが、すぐにその影は消えました。

☝️エリオットの詩を読んで

「アイデア(想像?)と現実の間、行動と行為の間に影が落ちる」

私なりの解釈ですが、鬱屈としたものが漂うこの社会の中で、犯人像、犯罪心理の解き明かしていく過程をこのドラマは時間をかけて視聴者にも問いかけながら描いていくのかも知れない、と思って見始めたたのであります。


彼女が難解な殺人事件捜査をしきり、犯人を特定していきます。男を抱くという表現を発し一夜を過ごしたかと思えば、被害者の映像を見て涙を流すステラ警視。事件現場では防護服に身を包み自ら現場捜査にあたります。そしていつ眠っているのかと思うほどに事件に突き進んで行きます。殺人事件という異質な現場に立ち合う職場に身を置くステラ警視ですが、警察内では柔らかな質の良いブラウスに身を包み凛としたたずまいでタイトな黒のスカートにピンヒールを履いています。無機質な色の警察の廊下を颯爽と去っていく後ろ姿を映す映像があります。なんともカッコよくて素敵です。現代社会のあり方に『ステラ警視の生き様』が見えて、ジリアン・アンダーソンがこの役に惚れ込んだところが見えた気がします。難しい言い方ですが、一石を投じる、そんな静かに挑むステラ警視の姿に拍手喝采です。シーズン3でどうなるのか。待ち遠しいです。


トーマス・スターンズ・
エリオット

アメリカ生まれのイギリスの詩人、劇作家、文芸批評家です。1948年にノーベル文学賞を受賞されています。

海外では結婚式式典、色々な場面で長文の詩を暗唱されたり演説されていますね。

🇺🇸アメリカ1970年

『ある愛の詩』

ジェニー(アリ・マックグロー)オリバー(ライアン・オニール)結婚式の時に2人が詩を朗読するシーンがありました。当時、日本の結婚式ではなかったことですので、ものすごく新鮮でなんて知的で素敵なふたりなんだろうラブと感動したのをおぼえています。

🇯🇵日本にも俳句や、和歌短歌川柳などありますが、なかなか聞きません。最近は人気の番組があり俳句も認知されてきていますが普段でも普通の会話で使ってみたり何かの席で聞く機会が増えると素敵ですね。




ジリアン・アンダーソン

テレビシリーズでは
社会現象にもなった
「Xファイル」のFBI捜査官ダナ・スカリー役を始め「ハンニバル」のモーリア博士「CRICIS完全犯罪のシナリオ」のメグ・フィッチ「戦争と平和」のアンナ・パブロブナなどに出演されています。

「ザ・
クラウン」マーガレットサッチャー役では2021年第78
回ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞しています。

舞台では2014年「欲望という名の電車」ブランチ・デュボワ役でロンドン・イブニング・スタンダード・シアター・アワード主演女優賞を受賞
しています。

沈黙している時の目力、静かな動きでも内面から溢れ出る知性、強さの中にも切なさなどが垣間見えて表現力が素晴らしいですよね。昔も今も目が離せないジリアン・アンダーソン。どの作品も記憶に残る素晴らしい演技力で魅了される俳優さんですよね。
今後も素晴らしい作品を作っていただきたい。期待しています。



『アストリッドとラファエル文書係の事件録』『ブラックリスト』『THE HALL警視ステラ・ギブソン』の刑事ドラマを同時進行で視聴しています。すでに終了したドラマもあり、大変遅く視聴しております。今回

フランス🇫🇷アメリカ🇺🇸イギリス🇺🇸のそれぞれのお国柄、国民性、警察の捜査方法や映像の違いを観れてすごくありがたく嬉しいです。


まだ観ておられない方是非ご覧になっていただきたいです。それぞれの視点が違うためとても面白いです。



おすすめです!