"身土不二"に学ぼう
私は「国を守るとは人 を守ること、人を守るとは食を守ること、食を守るとは土壌を守ること」と主張したいと思っています。
現在、日本の食糧の自給率は40%で、先進国中最下位(オーストラリア265%、カナダ142%、アメリカ122%、フランス、イタリア、イギリス も100%以上)となっています。
このままいけば、十数年後には20%に下がるだろうと言われています。
これはどういうことか。
日本人の胃袋は外国に握ら れてしまうということ(夫婦関係でもご存知の通り、胃袋を握られている亭主族は奥方に弱いのです)。
外国で伝染病が流行したり、凶作が続いたりするとすぐ に食糧危機になりかねません。
これで真の独立国家と言えるのか、と思うのは私ひとりではないでしょう。
外国から輸入する食糧は、季節感や生産者の顔が見えないことはもとより、最大の問題点は、収穫後、長い輸送中に発生する害虫や腐敗防止のために、必要以上の農薬、抗生物質、ホルモン等々が使用されていることです。
生産者と消費者の距離が大きくなればなるほど、食の安全性は低くなると言われているのはこのためです。
そこで、石塚左玄。
彼が説いた「身土不二」 の思想が光り輝くのです。
"身体と土壌は一体のもの"という意味から、人はできるだけ生まれた土地に近い所で穫れた食物を食べるのが自然であり健康に良い という意味です。
さしずめ、日本人は、米を主食に近くで穫れた野菜、豆類、海藻、魚介類を副食に摂るべきという訳です。戦後六〇年、日本人は「高タンパ ク・高脂肪食」こそ文明食として取り入れてきましたが、これに対し、世界の栄養学者が日本食を評価して次のように言っています。
「日本の食生活は、栄養のバランスが整っている、カロリーの摂り方が理想的、食材がヘルシー、の3点で素晴らしい」、そして「これほど素晴らしい食 生活があるのに、なぜ日本人はアメリカナイズされた食生活に変えてしまったのか理解できない」と。
我々日本の伝統食は素晴らしいのです。
もっと米を食べよう!
パン用の小麦粉はほとんどが輸入品で農薬が心配だし、パンは水分が少ないため喉の通りが悪く、バター、マーガリンが使われやすく、これらには脂肪が多 かったり添加物が多いのです。
また、米は小麦に比べタンパク価も高く、さらにパンは粉食で、粒食の米に比べ酸化が進みやすく常食には不利です。
さらに米は 小麦に比べ、単位面積当たりの収穫量も多いのです。
加えて米を食べることは水田を増やすことになり、水田は水を保持し、これは地下水の安定につながるばかりか、地球温暖化防止にもつながるのです。
まさに米食は良いことづくめです。
日本は人口が減少しています。
ライフスタイルや経済的理由もあるでしょうが、私の心配は、今の若い男女は誤った食生活によって子供をつくる能力、環境が著しく低下していることです。
男子は精子の量が激減し、女子は冷えや生理不順等々。
今こそ、日本の将来のため、輸入食品より「地産地消」、ファーストフードよりスローフード、伝統的日本食に帰って健全なる身体を取り戻したく思っております。
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