◆大腸ガンの8割以上が発生する部分とは?
食べ物を消化するのはもっぱら小腸の役割で、小腸の粘膜には無数のヒダがあり、その表面はビロードの生地のように細かな絨毛という毛で覆われています。
一方、大腸はヒダなどのない〝のっぺり顔〟で、食べ物の消化・吸収は行なわず、水分を吸収するだけです。
小腸から出てきた便は、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸とつながって移動し、その間に水分が吸収されていきます。
大腸ガンの発生率が最も高いのは直腸で、全体の約60%、続いてS状結腸の約20%、この二つだけで80%を超えています。すなわち肛門から30cmまでのところに集中していることになります。
いったいなぜ、大腸ガンは肛門側に多いのでしょうか?
また、ずっと長い小腸にガンがなくて短い大腸にガンが多いのはなぜでしょう?
小腸の中を通ってきた食物のかすは、大腸にきたときには、まだ粥状でどろどろしています。
人間が吸収する栄養はもうないのですが、細菌にとってはまだ栄養があります。
便は大腸を通る間に、細菌によって分解され、また、大腸粘膜によって水分が吸収されます。
こうして便が大腸の後半にさしかかると、分解されて発生した有毒物質も多く、また水分が少ないので、濃度が高くなっています。
そういう「古くて汚い便」が便秘などで、ひと所に長居するようになると、当然がんを発生しやすくなるのです。
長年にわたり便秘ぎみの方は、大腸の肛門側にどうぞお気をつけいただきたいです。
- 腸をダメにする習慣、鍛える習慣 ~腸内細菌を育てて免疫力を上げる30の方法~ (ワニブックスP.../藤田 紘一郎
- ¥864
- Amazon.co.jp