【追】バラ1は3拍子ではなく6拍子/ショパンのバラード全4曲が6拍子。そのイメージとは・・ | 愛の夢のつづき

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※最後に追記し、以前のバラ1シリーズで

ショパンのバラード第1番について解説した中から

6拍子に関する記事へのリンクも追加しました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

某音楽大学院の先生が

 

羽生結弦選手のバラードの演技を

 

褒めてくださっている文章が拡散されていて、

 

それ自体は大変素晴らしいことと思いますし、

 

素敵な言葉で褒めてくださっていて

 

私も嬉しく思います。

 

 

 

ただ、3拍子という記述がありますが、

 

ショパンのバラードは

 

第1番から第4番まで全4曲総てが

 

6拍子です。

 

間違った認識が広まらないように、

 

大変に僭越で恐縮ではありますが、

 

その点だけは訂正させてくださいね。

 

 

 

当初は羽生選手も

 

3拍子と発言されていましたが、

 

その後、

 

アイスショーで共演された

 

福間洸太朗さんが、

 

バラ1が6拍子であることと

 

その違いを

 

説明してくださったという話を

 

(どこで見たかは失念しましたが)

 

記憶しています。

 

 

 

ショパン バラード 第1番 ト短調 Op,23

 

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pesante(ペザンテ)重々しくという指示のある

 

重厚なイントロ部分のみが、

 

4分の4拍子です。

 

(♭2個の調号の後に大きな C の字がありますが

 

4分の4拍子という意味です。)

 

 

 

2段目の中央辺りに、

 

二重線で区切られて

 

第1テーマが出てくるところに

 

4分の6とあるのがお分かり頂けるでしょうか。

 

これが、この曲全体を支配する拍子です。

 

 

 

但し、

 

最後の非常にテンポの速くなるコーダ部分、

 

羽生選手の振付で言えば

 

ステップのところで、

 

また大きな C の字が

 

縦線入りで書かれていますが、

 

これは2分の2拍子、

 

2分音符を1拍と数える2拍子ということで

 

スピード感を増す効果になっています。

 

{0F818450-0494-4BFC-97F4-46E14B23BA97}

 

 

 

大学院の先生が

 

お間違えになる程度のことだから、

 

3拍子でも6拍子でも

 

大した違いはないのでは?と

 

思われるかもしれませんが、

 

音楽的な印象は大きく変わります。

 

 

 

平たく言うと、

 

(あくまで単純に拍子だけ比較すると)

 

3拍子の方が6拍子よりも

 

はっきり動きがある「踊る感じ」になり、

 

6拍子の方は、その動きが

 

繊細に、柔らかくなる「揺れる感じ」になります。

 

 

 

1拍目は強拍といって、

 

何拍子の1拍目であっても

 

他の拍より、

 

ほんの少し重いという

 

音楽表現の基礎ルールがあります。

 

 

また、

 

6拍子の4拍目は中強拍といって

 

1拍目よりもっと微か~~に重いのです。

 

3回に1回強拍がある拍子と、

 

6回に1回強拍があり

 

「その途中」に中強拍がある拍子。

 

 

この違いによって、

 

6拍子は、舟歌や、子守歌など

 

波間にゆらゆらと揺れるようなリズム感の

 

優しい穏やかなイメージの曲や

 

優雅で繊細な曲に多く使われています。

 

滑らかな流れる音楽になります。

 

3拍子の子守歌では

 

赤ちゃんが寝つきにくいかも。(^_^;)

 

 

 

 

バラ1では、

 

重々しい深刻な4拍子のイントロの後に

 

とても繊細な揺れる感じの

 

6拍子の第1テーマが静かに切なく始まり、

 

激しく高まったり、

 

穏やかな第2テーマが登場したり

 

色々な変化で

 

聴く人の感情を揺さぶりながら

 

流れていき、、

 

最後はプレスト・コン・フォーコ、つまり、

 

きわめて速く、炎を持って(情熱的に)という

 

指示のある2拍子の激しいコーダで終わる

 

ドラマティックこの上ない構成です。

 

 

 

ショパンがどれほど

 

バラード第1番を愛していたかが

 

伝わってくるエピソードがあります。

 

 

 

ショパン自身が「この曲が一番好きなんだ。

かけがえのないものに感じているんだよ。」と

 

シューマンとのやりとりで語ったことが

 

シューマンの恩師への手紙によって残されています。

 

ショパンが、どれほど、バラード第1番を愛したか

https://ameblo.jp/shiawasedesu/entry-11913872566.html

 

↑の記事、動画が無くなっていたりしますが

 

直している時間がなくて、申し訳ありません。

 

 

 

シューマンの手紙を

 

是非、お読み頂ければと思います。

 

 

 

羽生選手の演技は、

 

単純なワルツではない、

 

繊細に揺れる6拍子を

 

天上で雲の上を滑るかのような

 

流麗な、そして繊細なスケーティングに載せて

 

表現されていて

 

まさに、ショパンの魂と共にあると感じます。

 

 

{74D21A13-6C5A-499B-9C9D-572895E66C27}

(この凄いディープエッジのイーグルの滑らかさ、繊細さ、、、)

 

 

 

 

 

バトルさんが羽生結弦選手に、

 

そして、

 

タラソワさんが浅田真央さんに、

 

それぞれ振りつけた以外は

 

誰も演じていないというのは、

 

表現の難しい曲だからこそであろうと感じます。

 

 

 

ショパン自身がかけがえがないと語り、

 

結弦くんと真央さんが

 

極上の美しさで演じられた曲を、

 

少しでも

 

良い表現で演奏できるよう

 

頑張っているところです。

 

 

 

★追記★

以前、バラード第1番についてシリーズで書いた中から

6拍子に関する記事へリンクします。

 

■バラ1の6拍子-天才・羽生結弦の学び~1拍目の重さ【1】

https://ameblo.jp/shiawasedesu/entry-12089545028.html

 

■ショパン・バラード第1番 ~ひそやかな舞:第1テーマ(2)
http://ameblo.jp/shiawasedesu/entry-11922919011.html

 

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

チケット郵送のお申込みは〆切りました。

たくさんのお申込みありがとうございました。

 

★4/7★ラフィネスプリングリサイタル★

すみだトリフォニー大ホール  13:30開演

野谷 恵 出演時間(予定)15:20過ぎ頃~

 

演奏曲目(♪ゆづ真央応援&感謝プログラム♪)

ショパン/バラード第1番、リスト/愛の夢第3番、

ラフマニノフ/前奏曲 「鐘」、ファリャ/恋は魔術師より 「火祭りの踊り」

 

当日券は出ると思いますが、主催の

国際芸術連盟様にお問合せ頂ければと思います。 確認して追記します。

 

★当日券は13:00~ 大ホール入り口横のガラス扉を開けて

販売するそうです。よろしくお願い致します。

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ありがとうございます。

                 Megumi(野谷 恵)