町田樹/シューベルト「継ぐ者」その2 | 愛の夢のつづき

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指が楽に動き、音が美しく響くピアノ奏法と
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札幌、東京、大阪、オンラインで指導 している野谷恵です。

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町田樹/シューベルト「継ぐ者」その1 の続きです。


この曲の、ネット上にある音源を、色々

聴いてみました。外国の大家中心に、若い演奏家も。


すぐに気づいたのは、内声、つまり、

ソプラノとバス以外の内側の旋律・・この曲で言えば、

右手で弾く8分音符の細かい波のような音型・・を

丁寧に弾いている演奏が比較的多かったのですが、

それは、一緒に演じるには重い感じになって動き難いと想像されます。


8分音符の波の音量を抑えて弾き、ソプラノで歌う演奏でも、

あまりにロマン派的に強弱と時間のふり幅が大き過ぎる演奏は、

演奏として聴くのは素晴らしいけれど、

一緒に演じるには、やはり動き難いかもしれません。

あまりシューベルト的ではないとも言えます。


「継ぐ者」の音源、今井顕氏の演奏は、

内声の波を、淡々と、背景として、かなり音量も抑え、

どんどん流れていくように弾かれていて、

結果的に、外側のソプラノとバスの動きが

非常に明瞭に伝わってきます。

なので、音楽全体もどんどん流れ、その中で、

くっきりと浮かび上がるソプラノの

音価や音程の変化ひとつひとつを敏感に感じながらも

大きなフレーズを捉えて歌われていて、

シューベルトの旋律の美しさが、ストレートに伝わります。

それこそ、「山脈」がくっきりと描かれている演奏です。


そして、そういう音源を選んだところから、既に、

振付も、演技も、始まっているのだと思います。


変化に敏感に、ひとつひとつの音を大事にし、

度々、ひとつの音に一つの振りが「同時に」あり、

でも、ひとつひとつの音で意識が止まってまうことなく、

フレーズも大きな構成も、しっかりと理解された振付と演技だからこそ、

こんなにも伝わるものがあるのだと思います。


前回のコメント欄でもお返事に書きましたが、

音楽的才能というより(才能ももちろんおありと思いますが)

私は努力の方を感じます。

おそらくは、延べにすると大変な長時間、この曲を、

聴いて、聴いて、聴いて、、深く感じ、考え抜いて、

作られ、演じられたと思います。

持って生まれた才能とか感覚だけで、あそこまでは、できないです。


これも、コメント欄に書きましたが、

私の楽譜の分析は、学校で習ったものではなく、

30代半ばから40代半ばまでの約10年以上、

オペラ団体の音楽監督のために毎月札幌へ来られていた

作曲家(東京の音大の先生)から楽曲分析に基く音楽表現の

レッスンを受けて学んだものです。

ハンガリー人の3人の恩師も、度々分析的なことを仰いました。


そういう風に学んで、現在、音大を出たピアノの先生方の

レッスンをさせて頂いている私から見ても、

町田さんの、この曲の理解は素晴らしいと思います。


以下の画像(画面撮りで荒いですが・・)の場面、






一度だけ出てくる印象的な動作ですが、

曲のまとめ部分の中でも、バスに重要な変化があって、

いよいよ曲がまとまろうとするところで出てくるのが、

凄いです。


細かく書き始めると、結弦くんの「バラ1」シリーズのように

膨大な量になってしまうので、

多分、このくらいにしておくと思います。・・・多分。


いえ・・・ひょっとすると・・・続くかもしれません。(笑)


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                      Megumi(野谷 恵)