物語として背景を説明するストーリーである前半部分と
気づきを与えてくれる後半部分。
ごくごく薄い本だ。
ボクは、この本を読んで初めて、
人生は、自分が作るものなのだと知った。
それまで、人生っていうものは、
誕生日や親が決まっているように、
そのすべてが決められているものだと思っていた。
お金がないことも、彼女がいないこともそうだし、
生まれた環境の中から、
ボク自身の学歴さえ決まっているものだと思っていた。
パッとしない毎日のパッとしない人生。
でも、それはすべて、ボク自身の心が決めていたのかもしれない。
だって、少なくとも彼女と過ごしていた日々は、
そのときのボクにとって、過不足がない生活だったはずだ。
それが彼女と別れたとたん、ボクの人生の何もかもが、
失われたように感じるなんて。
それこそ、現実的なプラスマイナスから考えたら、
彼女以外のマイナスは何もなかったはずだったのだから。
会社の給料が減ったことを理由に、
仕事を投げやりにしたのも、ボク自身だ。
仕事への夢や希望を、ボク自身が持たなかっただけだ。
給料や賞与は、そんなボク自身の考えを反映したにすぎないのかもしれない。
そしてボクは、自分の人生を自分で作ることを決めた。
どうせ、いまのボクには何もない。
失うものがないのなら、信じてみてもいい。
少なくとも、この本を読み終えた瞬間に、ボクは胸の高揚感を感じることができた。
これを信じてみてもいいんじゃないだろうか。
そしてボクは、自分の人生を作る旅へと出かけることにした。
それは、これまでボクがしたどんな経験よりも、
すばらしく素敵なアドベンチャーだった。