義母がアルツハイマーと診断されて7年が経ちました。

 現在97歳になります。

 

 お身体はいたって健康で、ご自分の足で歩き、穏やかに施設で暮らしていました。

 ところが、

 今年の5月、どうしたことかベッドから落ち、低いベッドなのですが、大腿骨骨折!

 手術、リハビリ病院を経て今は施設に戻っています。

  

 リハビリで、少しは歩くことはできるようになったのですが、完全に歩くというのは無理のようです。

 四六時中横に誰かがついていれば、ささえて歩くのは可能でしょうが、そういうわけにもいきません。

 車椅子を使用しなければいけなくなりました。

 

 ここで問題が起きました。

  

 義母は、骨折前は普通に歩けていたわけで、それはもう97歳までご自分のあたりまえだったわけで、

 とりわけ同じ年代の人たちに比べさっさと歩けることが義母の誇りであったのですから、

 その思いが無くなるわけもありません。

 「骨折して前のようには歩けない」 という認識はすっかり無いのです。

 

 認知症って そういうことですから。

 

 今までのおかあさんは、

 「そうかあ、手術したかあ、覚えてないわあ。」と笑ってらしたのが、

 

 このところは

 「手術したのなんて嘘や!」と怖いお顔になります。

 そして、その車椅子からご自分で立とうとしてしまいます。

 転倒の危険がありますから、車椅子の時には、ベルトをして自分で立ち上がれないようになっています。

  それがまた気に障るのでしょう。

 

  記憶。 人間は記憶でできていて、それが身を守ることにも繋がるのです。

  

   昔の記憶はあるのです。

   多分、アルツハイマーを発症してしまうと、その時点から、記憶する機能がなくなるのだろうと思うのです。

   知性が衰えるわけではないのです。絶対に。 

   その瞬間の会話はつつがなくできるのですから。  ただ 記憶だけができないのです。

 

   どんな感じなのかなあと思います。 

   おかあさんは、辛いのだろうか、それとも、、、