僕は、生まれる前


思い描いていた



お母さんとお父さんの


あたたかい光に包まれて


スクスクと安心して


大きくなっていく自分の姿を



でも、何か違っていた



お母さん、お父さん


違うよ


と心の中で叫んでいた



小さな体で


精一杯


全身で訴え続けていた



でも、届かなかった



だから、僕は、君を作り出した


本来の自分ではない君を作り出して


僕を守った



こんなはずじゃない


こんなのウソだ


お母さんは


僕を愛してくれているはずだ


お父さんも


きっと愛してくれているだろう



だから



大好きな


お母さんとお父さんに


愛されるために


僕は、演じ続けた


君という人格を



時が経って


僕は、気づいてしまった



あれは、本来の僕ではなかった



君は、AC人格というニセモノだ



それ以来


僕は


君を敵視し、憎んだ



君がいるから


僕は、苦しいんだ


君がいるから


僕は、不幸なんだ



だから



君なんか消えてしまえ


君が憎い、君を殺してやる


君のことを本当に殺そうとした



その結果


君の大反撃を食らい


僕は死にかけた


廃人同然のところまで行った



そして



極限の苦しみの中で、気づいた



僕は、間違っていた


君の深い悲しみを知った


君は、叫び続けていたんだね






ぼくは、敵ではないよ



だから



ぼくを憎まないでよ


ぼくを作り出したのは


きみだよ



ぼくは、今は、醜い姿だけれど


元々は、きみなんだよ



だから



きみの元へ、帰りたいよ


きみと一緒に


歩いていきたいよ



だから


ぼくを消さないで


殺さないで






やっと、君の本心が分かったよ


これからは


共に成長していこうね



君と僕は


きっと必ず


ひとつになるよ