パロディな話 君の笑顔 | しぃのボチボチブログ 時々 妄想 時々 小説♪

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*基本的に自己満の記事をアップしています。



今日は菊池と一緒に外回り
コンクリートの照り返しが肌を湿らせる


「先輩、ちょっと涼みましょうよ」


時刻は11:30をちょっと過ぎた頃
社畜たちのランチタイムには少しだけ早い


「そうだな……あそこ行くか」
「やった!!今ならゆっくり喋れますね」


さっきまで死にそうな顔して歩いてたくせに


「先輩、早くしてくださーい!!」


急に勢いよく走り出す菊池に苦笑いしつつ
自分のほうが、あの笑顔に早く会いたいのだと
急いで後輩の背中を追いかけた


「いらっしゃいませ!!」


今日も元気な声が聞こえて、密かに安心する


「相葉さん、今日も元気ですね。こんなに笑顔で迎えてくださると俺まで元気になりますよ」
「クフフ……そんな俺の笑顔なんかで元気になってもらえるなんて。じゃあ菊池さんに向かっていっぱい笑っちゃおうかな」
「あざーす。これで午後からも頑張れます」


お調子者の菊池と楽しそうに喋っている君をまじまじと見つめる


「なぁに?俺の顔になんか付いてる?」
「………今日、翔さん出張なんだろ?」


おせっかいな俺の言葉に一瞬で笑顔が曇る 
今日は泊まりの出張があると翔さんから聞いていた
心配性な彼は、こうして幼なじみの俺に毎回こっそりと頼んでくる
信頼してくれているのはうれしいが、正直複雑な気持ちを持て余している


「……うん。翔ちゃんから聞いたの? でも…だいじょ……」
「行くから」
「…俺…もう……大丈夫だ……から……」
「生姜焼きがいいな、久々に。翔さんいない時くらい俺にも作ってよ」
「……でも……おおちゃん…………」
「俺が行きたいんだからこっちのことは心配しなさんな。ちょうど今日は新作考えたいからひとりがいいんですって」
「……………わかった………」
「えぇ、いいなぁ!!先輩、俺も行きたいです!!」
「ばぁか!お前が翔さんの家に行くのは何十年も早いんだよ」
「ひどっ!!」


店内に菊池の声が響き渡る

クフフ……
俺たちのやり取りで笑顔の戻った君が


「菊池さん、ご注文は何にされますか?」
「あっっ、ちょっと待ってください」


菊池が慌ててメニュー表を見ている横で


「…………ありがと…かず


俺にしか聞こえない声で礼なんか言うから
今でも無駄な悪足掻きしそうになってしまうんだ


わかってる
俺は翔さんの代わりになんてなれない

でも、俺にも弱いところを見せて欲しいって
ほんの数ミリでも今より君に近付きたいって

君にとってはただの幼なじみだろうけど


あの日
俺と翔さんは誓ったんだ

一生掛けて君を守り抜くと・・


「相葉さん!俺、オムライスで!!」


相変わらず、菊池の間の悪い注文と
奇しくもタイミングよく出てきたメニューに


「クフフ………承知しました。少々お待ちくださいませ」


君が微笑んだのは
一瞬、あの人のことを思い浮かべたんだって
嫌でもわかってしまう



「俺は……」
「和は、ハンバーグでいい?!」
「……はい。ニンジンはいりませんから」
「ダーメ。ちゃんと野菜食べなさい」
「そうですよ先輩。野菜食べないと身長伸びませんよ」
「うっせーよ。身長伸ばす代わりに、俺は業績伸ばしてるからいいんだよ!!」
「わっっ、ウザっ!!!」
「フフフ………相変わらず二人仲良いよね。じゃあ、メニュー通してくるから、ゆっくりしてね」


くるりと背を向けて歩いていく君の後ろ姿
手を伸ばしても届かない君との距離
今後も変わることのない君との関係



「かず〜、今日も来れないのかよ〜」
「はいはい。あなたは新しいメニューでも考えときなさい」
「大野さん、俺がお邪魔しましょうか?」
「風磨は…来んでいいわ」
「ヒドっ!!!」



いつの間にか現れた大野さんとのやりとりに
感傷に浸る間もなくて
何回目か、菊池の声が店内に響き渡るから
今日も君が笑ってくれる


俺はそれだけで・・・本当に幸せなんだ



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えーっと、ニノちゃんは大野さんと付き合ってます
ただ………相葉さんを大事に思っています
相葉さんにはちょっとした過去がありまして
翔さんとニノちゃんは過保護なくらいに相葉さんを心配しますし守ります
風磨くんは相変わらず残念な扱いを受けてますが
みんなから好かれている上での対応です(笑)

ちなみに風磨くんは翔さんの大学の後輩で、大野さんは翔さんの大学の先輩っていう関係性です

色々と人間関係が絡まり合っているので
またそこら辺も書いていけたらいいなぁと思っています