先入観 
○禅の言葉で「花は紅、柳は緑」とある。
  当たり前を当たり前に見よという意味。また「墨は白くて、雪は黒い」とも言う。
何だかひねくれて言っているように思えるが、 「雪は白い」と先入観を持つと本当の判断ができないぞ、という忠告である。
 どちらも同じことを言っているのである。「白い雪、照らす光で赤になる。」
  「黒い烏も見方を変えれば白くなる。」

○例外のない規則はない。物事を固定して見ないこと。
   宗教は○○だ、政治家は□□だと固定して見ないこと。その中にも色々ある。
   自分がそれに同意することはない。
   余裕が無いと、隠れた宝を見逃すことになる。

 *宗教は麻薬だ。支配のための道具だ。庶民をだまし金儲けの道具だ。;これも一部にある。
 *政治屋になって金儲けをしよう。甘い汁を吸うために代表を国会に送ろう。:これも一部にある。
 *医者は、教師は、男は、女は・・・。
   だが、違うものもある。固定して見ないこと。
 *誰それは素晴らしい、いやこんな面もある。 誰それは悪だ、いやいい面もある。
   人も一定ではない。判断も一定ではない。

偏見(詩)
  真剣に比較検討しているが、最終判断自分の好み。
  結果が悪けりゃ言い逃れ。
  自分の心に傷つけて、表面ばかり化粧する。 (天知る、地知る、我知る。)
  捨てたつもりの心が暴れ、 共に行く先修羅の国

好き嫌いについて(上記:偏見の解説)
  好きや嫌いは個人の感情だから無くすることはできないだろう。
  蛇の好きな人や嫌いな人がいる。
  好き嫌いは個人の勝手でよいが、好きなものの多いほうが人生は楽しい。
  しかし好き嫌いと善悪は別である。
  嫌いなものが無くなるのであれば無くせばいい。しかし自分が嫌いでも 他者が好むものもある。
  犯罪は無くしたいと多くの人が思っているのだから少なくなるのが良いのだろう。
  病気や害虫はどうだろう。自分が嫌いなものが果たしてこの世界で不必要なものなのか。
  自分がまた人類が不要と判断し行動するのならばその結果はそれぞれが引受けなければならない。
  いまの時代は光も闇も、生病老死も四苦八苦も全て好き嫌いがある。
  紙の裏と表の如く嫌いなものが人間の意思に拘わらず存在している、これは受け入れざるを得ない。
  受け入れれば人生が豊かになり、逆らえば苦痛が多くなる。
  死があるから生が輝いてくる。70才まで輝かしく生きて71才で悪事を働く人もいる。
  長生きしたため子孫が(自分も)肩を窄めねばならない場合もでてくる。
  こんな場合には長生がマイナスで早死がプラスなのであろう。

調査(説得・納得)
      人を説得するには相手の好きな事から入れ。(交渉術)
  *ア  先入感に合わない報告は受け付けない。(依頼者)
  *イ  先入観に合った報告しかしない、できない。(報告者)
      株式市場(自己責任)が成り立つ根拠はここにある。
  *ウ 現状から結論を導く場合、推理経過を疑え(ゲーテ)
      ○風が吹けば桶屋が儲かる。
        ⇒勝手な推理で勝手な結論を導き出す。⇒これが多い。
          正しいのは現状(風が吹いたこと)だけ。
      ○バブルが崩壊したから赤字になった。
          自己責任をバブルに転嫁させる。
  *エ 靴を履く習慣の無い国へ靴の調査に行った靴屋の話もある。
      「靴は売れない」と思う人、
      「買い手が一杯いる」と思う人。

   同じ意見でもBさんの意見は退けるがAさんのは採用する。
     *信頼感の違い。(悪くはない。)
     *自己の見解が無い。専門家を頼る。(悪くはない。)
     *優柔不断。
     ×自己の好みを押し付ける。(結果が自分のみに返る場合・趣味はOK)。

○悩みの相談。
   人は予め結論を持って相談に走る。
    *ア 自分に合意してくれる相手は賢い。
        @1 認められて自己満足する。(相手も自分と同じ程度に偉い。)
        @2 認めらなければ相手を馬鹿にするだけである。
    *イ 白紙で相談できる人は信頼される。(松下幸之助)

嘘・言訳
   茶碗が割れた。(不注意で手を滑らせた自己の責任を転化する。)
     バブルが崩壊したから損失が出た。(バブルで儲けた者もいるのに。)    
     自分を楽な所に置きたがる。難問解決の経験にはならない。

うわさ(評判)

 世間の噂を気にする程つまらないものはない。
  1.有りもしない噂をあると信じる。(被害妄想)
  2.判断は見る人によって異る。
   (全員がよく思うことはない。キリスト、孔子、親鸞、日蓮、信長、家康、・・・・みんな誰かに嫌われた。)
  3.判断者に評価能力が無い。  (反省へ
   (エジソンも劣等生と評された。・・・・。)
  4.人は事実より悪く見られる傾向にある。
     他人の欠点を探し言いまわる。⇒同意者多し「他人の不幸は蜜の味」。
     人は不幸であって欲しい、せめて自分よりは。
     与えた恩は心に刻み、受けた恩は忘れ勝ち。(50対1と思うべし)
  5.他者を非難するのは、自分の非を隠し、自分を非を矮小化したいため。
   (比較して優位を表すため、一方を貶める。言い訳は用意している。)
   (弱い犬はよく吠える。)
  6. 賞賛や非難の原因は別にある。
   (惚れて見た目にゃアバタも笑窪。坊主憎けりゃ袈裟まで憎し。江戸の敵を長崎で。妬み)
  7.一人が賞賛すれば、10人は非難している。(嫉妬)
   (美は醜があるから生じる、醜から生じる非難。出る杭は打たれる。)
  (解決法)
     無念夢想。莫妄想(人の噂も75日):恥じない行動。信念。
     人を非難しない、賞賛もしない。(自己の能力を知る。善行は当たり前)
          (教育の場合は違う。⇒叱ると怒る。)
     人の悪を言うな、人に惑わされるな。
     自分の今の行動が次の社会を形作る力である(サルトル)。


阿頼耶識(先入観の溜まり場)

 :人間は自分で考えていると思っているが 95%以上はそうではない。
    考えまいとしても考え〔迷い〕が勝手に出てくる。
     (寝ようとしても色々な思いが生じて寝られない)
 :人間は自分で行動していると思っているが95%以上はそうではない。
    心臓も呼吸も髪も老化も勝手に動いている。
     (歩くときも無意識である。だが呼吸と歩行はコントロールもできる)
     (車の運転も無意識でできるようにならなければ、未熟で危険である)


 自分を動かしている殆どのものは自然の法則と先入観(無意識)である。
 この心の無意識を仏教では阿頼耶識と末那識と区別する。

 人間は大自然の法則の中で生きている(生かされている)。(善悪を含め)
    第九:菴末羅識   ⇔(自然に従う)     =法界体性智(大日如来)
 人間の潜在意識が行動の基本にある。(先祖や自分の経験で生じた無意識)
    第八:阿頼耶識   ⇔(潜在意識を見直す)大円鏡智 = (阿閃如来)
 人間は自他を区別し、我欲を作る。
    第七:末那識    ⇔(他人の気持ちになる) 平等性智 =(宝生如来)
 人間は物事を偏見で判断する。
    第六:意識      ⇔(先入観を捨てる)   妙観察智 =(無量寿如来)
 人間は物事を認識する。
    前五識:感覚知覚  ⇔(皆の幸せを図る)  成所作智 =(不空成就如来)

     (眼耳鼻舌身の5つ)

潜在意識

   人間の行動の95%、いやそれ以上は無意識のうちに行われている。
   歩くことも無意識である。無意識・潜在意識であるから疲れない。

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冷暖自知
 醤油とソースの味を知らない人にこれを言葉で説明するのは難しい。
 言葉を理解できない幼児にストーブの熱さを教えるにはストーブに近付ければ良い。
 何も隠そうとも思わないが、説明しようにも言葉では説明できない。
 りんごをは赤く球形をした果実である。?
  黄色いのも有るし、分かっていても説明できない。
 同じ意味で
  「維摩の沈黙 雷の如し」「捻華微笑」「不立文字 教外別伝]「49年一字不説」
  等がある。
    *維摩居士を見舞った客の全てが居士にやり込められた。
    終に 文殊菩薩が見舞い 「仏とは」の 問いに説明した「曰く言い難し」と。
    同じ問いに 維摩居士は(言葉で説明できないため)沈黙で応えた。

 煩悩  :  夢・希望・後悔等の(過去や未来に拘る)心を乱す思い。最終は苦に至る。
 煩悩則涅槃:一見煩悩に見える思いの中にも、根本的に正当で必要な思いがある。
          自分勝手に作り出した虚像(真理に合わないこと)を明らかに知り、
          そして是々非々で対処できれば悩むことはない。
          正しい欲望は喜びに至る。積極的に取り組むこと。


智慧と知識
 智慧:事に当たって適切に判断し、処置する能力。(イメージ脳:右脳)
 知識:物事について知っていること。         (計算脳 :左脳)
    (見識):物事の本質を見通す判断力。
    (胆識):物事の本質にしたがって行動する能力。(安岡正篤)
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右脳左脳    (聞いた話)
 右脳:運動脳=感情、イメージ
 左脳:計算脳=理性、分析、組織化、といわれている。

 〔例えば〕人の名前を思い出す時、
 (1)努力して思い出そうとしても思い出せない。
 (2)だが、くつろいでいる時に思い出すことがある。
 必要なことは(1)でも(2)でもない。
 その両方が必要なのである。
 アルキメデスが風呂場で浮力に気が付いたのも、
 湯川博士が寝床で中間子に気が付いたのも、
 両方あってのことである。