平穏な日常が、
昨日と同じ今日が
今日と変らぬ明日が、
延々と続くと信じて疑わない。
ときにそれを退屈だと厭い、
ときに幸せだとも感じる。
まっとうな人間の感覚だ。
まっとうな人間は、
まっとうな明日を信じて
生きている。
しかし人の生きる道は
優しくも温かくもない。
まっとうさなど欠片もない。
突然に牙をむく。穴があく。
闇溜まりに落ちる。
あちこちに罠が仕掛けられているのだ。
あちこちに巧妙に。

ふつうに願っていることが、
そのとおりになるとは限らない。
ささやかな願いだから、
すべて叶えてもらえることもない。
いろいろあるのが人生。