人間関係の中でも、夫婦の関係に

悩む人は少なくないと思います。

家庭内の問題は個人的なことであって

自分さえ我慢すれば

あるいは自分が態度や行動を変えれば何とかなるだろう

と誰にも言わずにいる場合が案外多いかもしれません。

しかしそれらのことは

DV(ドメスティックバイオレンス・配偶者からの暴力)として

一般社会でも問題になっていることと

同じものかも知れないのです。

DVは様々な形をとります。

例えば、夫が妻の日々の行動や交遊関係を

細かくチェックしたり干渉する、

「誰のおかげで生活できると思っているんだ。」等

威圧的な態度を取る、生活費を渡さない

こちらから何を言っても無視して口をきかない

妻の仕事を辞めさせたり外で働くことを認めない等

精神的・心理的ないやがらせや

攻撃を加えてくる場合があります。

更に物を投げつける、殴ったり蹴ったりする

引きずり回す、刃物を突きつける等の

身体的な暴力、といったパターンもあります。

常にこのような状態が続くわけではなく

一度爆発した後には普段以上に優しい態度を取ったり

反省するそぶりを見せたりすることもあるようです。

ただその期間は長続きせず、

またイライラとした態度を見せるようになり

再び爆発へとつながるサイクルがあるとも言われています。

被害に遭った側は

「自分がいけなかったのでは」

「夫が自分のことを思ってくれているからでは」

または

「優しいところもあるのだから悪い人ではない」

「いつか変わってくれるだろう」等

自分自身を納得させることもあるようです。


しかしそのままにしておいても

暴力が止むことはありません。

また実際に暴力を受けなくても

ちょっとしたことで過去の記憶が

恐怖感と共によみがえり

抵抗することが難しくなったりします。

夫の顔色を伺いながらの生活の中で

無力感にさいなまれたり

経済的な問題や子供のことなどもあって

具体的な行動(夫の元から逃げる、離婚する等)に

踏み切れない場合も少なくありません。

身体の傷は癒えても

精神的なショックとダメージは消えづらく

気持ちが不安定になったり

体調を崩してしまう場合もあります。

子供にも多大な影響を与えます。

このような問題が起きたら

自分だけで抱え込んだりせず

相談したり助けを求めることが重要です。


周囲からは

「夫婦の間にはよくあること。大した問題ではない。」

「あなたが我慢すればいいことだ。」

「もっと夫をいたわるべき」

等の反応が返ってくることがあります。


しかしDVは根本に男尊女卑の意識が残る人権問題であり

決して個人的な問題ではありません。

法律によって、被害者を守る方法もあります。

自分自身には起きていない場合でも

もし身近なところで見聞きしたり

相談されることがあったら

話しをよく聴き「あなたは悪くない」

というメッセージを伝えたり

専門機関への相談を勧め

被害者を孤立させないことが大事です。