あなたにやすらぎを求めてもいいですか

好きと何度もいえるようになりました
たとえあなたの心がわからずとも

あなたにさよならと言いたくないから
時間を気にするあなたを跡目に
ずっと言葉の続く限り 声を送り出しました

寒いねと
何度も何度もいいました
話す言葉を捜すのにも飽きて
ただ同じ言葉の繰り返し
帰りの刻は迫るだけで

冷たい風が教えてくれた勇気を
言葉にしてもいいですか
ただあなたと手を繋ぎたいと

せめて小さな歩数の間だけでも

繋いだ手を離す瞬間が
いつも辛く感じているのを
あなたは知っていますか
寒い冬のてぶくろを外すそのときのように
またあなたのぬくもりは遠ざかっていくのです

どうして柔らかいのですか
どうしてあたたかいのですか

答えはあなただからだと
それだけしか思い浮かびませんが
せめてあなたが私の恋した相手だと
認めてもらえたことを喜んでもいいですか

繋いだその手がサヨナラの手に変わるとき
私の見えないところにあった背中が目の前に突き出たとき
また会える日を いつも心待ちに
私は笑顔であなたに背中を向けていきます