インスリン調整。


いろんな方法があると思います。
まず勘。それから経験値…


持効型インスリンと超速攻インスリンを用いておこなわれるインスリン強化療法においては、カーボカウントは有効な方法のひとつでしょう。


なぜなら。
超速攻インスリンの効果は、カーボ(炭水化物)の血糖上昇を捉える形で発揮するようつくられているから。


『カーボカウント』という呼び名から、そこだけに目がいきがち。


だから。
ともすれば、おやつを食べたい子どもには有効かも知れないけど…そんな風に誤解されてしまう。


カーボカウント=おやつを食べたい人のもの?
勘違いも甚だしい…


そういうことでは無いのです。


もちろん、最初は、この時間帯の私の超速攻インスリンによる炭水化物処理能力は…自身のインスリン必要量を知り、食べた炭水化物量に応じてインスリン調整方法をマスターします。ですがここも、基礎インスリンが合ってることが前提…


ですが、ここに行き着くまでに。
そもそもインスリン必要量とは何か?
について学びを深めておくことが大切です。


ここを通らずして、ただ単にカーボ(炭水化物)量と超速攻インスリン量を噛み合わせるだけのものと捉えていたのでは、『カーボカウント』が泣く。単にそれだけ、ほとんどすべての物事は、そんなに単純で浅はかなものであるはずがありません。


物事は繋がっている。
小学生の頃、担任の先生が話していたあれ。
「算数も国語も、繋がっているんだ。それぞれまったく違うと思ってしまってる人がいるけど、だいたい繋がっているんだ。そこがわかってない人が多い」


ですが、すべての繋がりを考えることは厄介で、私たちは取捨選択を繰り返しながら、自身が心地よく、持続可能な方法で治療を続けるしかありません。


『カーボカウント』を学ぶ上で、インスリン必要量がシックデイや生理周期の影響を受けることを学びます。


その時インスリンは、いつもの何倍必要になるか?


いつも食べてるご飯をお粥に変えないと食べれない日…インスリンは何単位?



少しは食べれたけれど。どうしても、いつもの量の食事を食べるのは無理…もうインスリン打ったのに。どうすればいい?



持効型インスリンと超速攻インスリンを打ち間違えたときは、どうすればいい?


どれも、今ここ。
その時に患者自身で判断しなければならない事態は、残念ながら、かなりの確率であり得る訳で。しかも、我々がヨレヨレの機会を目掛けてやってくる。


そんな繋がりを意識しながら…
せっかく『カーボカウント』を勉強する際は、ただおやつを食べたい人のためのものと浅はかに決め込まないで取り組んでいただきたい。


そしてそれは。
糖尿病療養指導をする側の立場の人にこそ、誤解のない、色眼鏡を外した理解をしていただきたい。あなた方に、やり方は、人それぞれであるということがご理解いただけることを切に願います。


どうか1型糖尿病の私たちにも、選択肢をください。