そして外来で通院していくうちに、ある特定の方と顔馴染みになりました。

その方は私と状況が全く一緒、実刑になるかどうか瀬戸際なところまで同じでした。なので気持ちがよくわかり、またこの方にだけは自分の思いを話すことができるようになってきました。

私は自分の思いを相手に伝えることがとにかく苦手で、さらにこの窃盗のことに関しては尚のこと、誰にも話すことができませんでした。


家族は話してくれたら良かったのに、と私に言いました。私も逆の立場だったらそうやって言ったかもしれません。でも言えないんです、こんな側から見たら理解されないことなんて。それはずっと私を苦しめてきたことの一つだったと思います。

それが病院を変えたことで、初めて胸の内を話してそれを理解してくれる方ができたんです。どんなに嬉しかったか。

その方は保釈条件が入院だったので、外来で行けばいつでも会える状況でした。なので私はだんだんそこに行くのが楽しみになっていったのです。



そんな日々が続き、2024年の3月、私は一審で実刑判決を受けました。家族と話し合い控訴することを決め、その中でできることは何かを考えました。


その中で出てきたのが入院治療というものでした。

入院と一口に言ってもどの程度入院するのか、入院してどのようなプログラムがあるのか、費用面など確認しなければいけないことはたくさんありました。

そして私には子どもがいますので、いない間の面倒をどうするか…など。日中母に預ける、などはしたことがありましたが外泊は初めてです。

不安だらけでした。