受刑者の二通りの反応。
高倉健が、刑務所で、受刑者に語りかけた。私は、皆さんの役柄を恐らく日本でいちばん多く演じてきた者であります。一同シーン。
落語家鈴々舎馬風が、刑務所で、一席語った。冒頭で、満場の悪漢諸君!とやったら、大爆笑、拍手喝采だった。
平等の理念はすでに学校で粉砕されている。出来る出来ない順に序列がつくられ、話しかけさえ出来ない人からアンタッチャブル(賤民、排除される者)までの位置が定められる。アンタッチャブルから脱するためにひょうきん者になるものもでてくる。ひょうきん者すべてがそのような出自を持つなどと言っているわけではない。
観念的な一点だと見まごうほどの一個の粒子が大爆発を起こし無数の星団を生みインフレーションを経ても果てない高速膨張を続けている事態に驚愕する。限りなく無限小に近いものと限りなく無限大に近いものとが、あるいは、限りなく単純なもの(超高密度状態では構造が成立し得ない)と限りなく複雑なものとが、同一のものの両極端での現れであるというこの事態!
言語と音楽の並行性と相違点。
どちらも、分節化した要素をさらに分節化すれば、音素の集合に還元される。クォークが集まって素粒子に、素粒子が集まって原子に、原子が集まって分子に、分子が集まって可視的モノに、という階梯を登るにつれて、関係無関係、同一差異が、相対的に露わになっていき、意味が発生する。ここは、並行的だ。
だが、言語は現象界に呪縛されているので、音楽、特に絶対音楽(神の腹話術師!)のような自己完結性を持ち得ない。ここで、相違する。
医者に聞いたことども。
女に振られた男が薬缶に硫酸を入れて口飲みした。行ったときには、ぐちゃぐちゃになった腹から煙を上げながら女を出せとわめいていた。さっさと帰ってきた。脳手術の際開けた頭蓋骨の蓋の方を熱湯消毒していたらいい匂いがしてきた。スープができてしまった。患者を横に寝かせて、背中と胸とから仲間と二人で同時に掘削。からだ中央で開通。互いに指で握手。風穴手術。食道と腸をつなぐ。すぐ離れてしまうので繰り返しつなぎあわせる。でもわかれてしまうことがある。涙の別れという。取り出した腸の巨大癌を、同業者らの会合の際、病院の入り口に飾った。みな正体がわからない。子宮じゃないかというやつがいた。あらゆる外科医は生涯打率を持っている。一生人には言わない。手術で殺した患者の割合だ。野球における打撃王ほどだという。三割以上は殺したと自覚しているのだ。
私は左足を怪我して、ここ三年間で四回も外科手術し、やっとこ復活の途上に左足を踏み入れたところだ。三年間、こういう乱暴に耐えてきたのだ。
高倉健が、刑務所で、受刑者に語りかけた。私は、皆さんの役柄を恐らく日本でいちばん多く演じてきた者であります。一同シーン。
落語家鈴々舎馬風が、刑務所で、一席語った。冒頭で、満場の悪漢諸君!とやったら、大爆笑、拍手喝采だった。
平等の理念はすでに学校で粉砕されている。出来る出来ない順に序列がつくられ、話しかけさえ出来ない人からアンタッチャブル(賤民、排除される者)までの位置が定められる。アンタッチャブルから脱するためにひょうきん者になるものもでてくる。ひょうきん者すべてがそのような出自を持つなどと言っているわけではない。
観念的な一点だと見まごうほどの一個の粒子が大爆発を起こし無数の星団を生みインフレーションを経ても果てない高速膨張を続けている事態に驚愕する。限りなく無限小に近いものと限りなく無限大に近いものとが、あるいは、限りなく単純なもの(超高密度状態では構造が成立し得ない)と限りなく複雑なものとが、同一のものの両極端での現れであるというこの事態!
言語と音楽の並行性と相違点。
どちらも、分節化した要素をさらに分節化すれば、音素の集合に還元される。クォークが集まって素粒子に、素粒子が集まって原子に、原子が集まって分子に、分子が集まって可視的モノに、という階梯を登るにつれて、関係無関係、同一差異が、相対的に露わになっていき、意味が発生する。ここは、並行的だ。
だが、言語は現象界に呪縛されているので、音楽、特に絶対音楽(神の腹話術師!)のような自己完結性を持ち得ない。ここで、相違する。
医者に聞いたことども。
女に振られた男が薬缶に硫酸を入れて口飲みした。行ったときには、ぐちゃぐちゃになった腹から煙を上げながら女を出せとわめいていた。さっさと帰ってきた。脳手術の際開けた頭蓋骨の蓋の方を熱湯消毒していたらいい匂いがしてきた。スープができてしまった。患者を横に寝かせて、背中と胸とから仲間と二人で同時に掘削。からだ中央で開通。互いに指で握手。風穴手術。食道と腸をつなぐ。すぐ離れてしまうので繰り返しつなぎあわせる。でもわかれてしまうことがある。涙の別れという。取り出した腸の巨大癌を、同業者らの会合の際、病院の入り口に飾った。みな正体がわからない。子宮じゃないかというやつがいた。あらゆる外科医は生涯打率を持っている。一生人には言わない。手術で殺した患者の割合だ。野球における打撃王ほどだという。三割以上は殺したと自覚しているのだ。
私は左足を怪我して、ここ三年間で四回も外科手術し、やっとこ復活の途上に左足を踏み入れたところだ。三年間、こういう乱暴に耐えてきたのだ。