夏真昼 死は半眼に 人を見る

 

小学五年生の夏休みのとき、私は、重症肺結核患者であった父親の胸部レントゲン写真を見る機会があった。

鶏卵そっくりの空洞が、両肺に何個も散乱していた。

仰天した私は、父に、これでも生きていられるの? と問いかけた。

父は笑った。

自分の目の前にいるのは、幽霊かな?。

だが、やつれはてて、もう やっぱり幽霊だった。

その二年前の夏真昼、私とキャッチボールをして、そのままでいろよと言ってから、豪速球を投げ込んできて、私をのけぞらせ尻もちをつかせた父とは大違いだ。

秋が来て、死んでしまった。三十九歳。体重は37キロだった。