男たちは彼女の下部構造ばかりを見ている。上部構造を見ないようにしている。白痴に乗り移られるのを恐れるからだ。
彼女が自ら自分の脚を造ったわけではない。
祖先たちの乱交の果ての偶然の成果に過ぎないか。
あるいは、乱交者たちに、或る趣味の伝統があったのか。
あるいは、特定の血族の、感染性の高い“遺伝子ウイルス”があったのか。さあて。
鉄製階段をハイヒールを履いて音立てて駆け降りる時、ナイキを履いて400メートルトラックを、土煙上げて駆け抜ける時、男たちはさらにさらに彼女の下部構造に注目する。
涎がずんだれる。
今、私は、公園のベンチに坐り、公園の真ん中にあるマンホールを見つめている。
足音が近づいてくる。
もうすぐマンホールを踏むだろう。
あの、幸福な脚が。