小学四年生の時に、全国独唱コンクールに出場させるべく、学校が、三人の生徒を候補に選んだ。前田君と私は四年生。あと一人は六年生の女子。ヴォイストレーニングを、放課後延々とやらされた。私はもともと声が低い。なのに、もっともっとと、高音を鞭打つように発声させられる。鶏が絞殺されるときの気持ちが分かるほどの拷問であった。前田君も僕も六年の女子よりか歌はうまいよなと自負しあっていたが、落ちた。その女子は、ところが、全国一位。先生たちの目、いや耳、は、確かなものだったのだな。