「好きな方がいらっしゃって、何もしないのは、お相手に誤解を与えますでしょう? 

そんなことなら、好きであるという表示を掲げなければよかったのに」

「その通りだが、魔が差したのだろう。

何も出来ないのはわかってる。

相手は、仕事をし、家事をし、二人の子供の子育てをし、歳取った親たちの介護をし、疲れていようと亭主と寝なければならない。

私が、いくら彼女を好きでも、これ以上負担を大きくさせたくない。ちょっとした合図だけにとどめておく。その程度は許してくれ。

現況を、全面的に変えてしまってもいいと彼女がいうなら、話は別だ」