毎日のスケジュールは決まっている。
観劇、観光、ディナーパーティー。

孝ちゃんは、私には好きな男がいるのよ、という。

歌舞伎役者や映画俳優や、いとこのイケメンや、思いつくままぶちまける。

私は、その、いとこの写真を見たことがある。若大将をやっていた時の、加山雄三そっくりの男だった。

これは、だれ? と、私は祖母に訊ねた。祖母はわずかだが動揺した。

離れの、広い座敷で、二人は眠る。

孝ちゃんは、壁ぎはに、ひっついて、なんじゃこりゃ、と嘆く。
親の命令なので仕方がないが、重ちゃんと逃げればよかったと反省する。

男は、壁に向かって、本を読んでいる。何も言わず、灯火の下、ひたすら本を読んでいる。
広い座敷の、壁際と壁際、そこにひっついて、若い女と若い男は、一日、二日と、相手に背中を見せたまま、時を共にする。