祖母のお孝さんと、祖父の金吾(祖父は祖母をお孝さんと呼んでいた)は、毎日、超濃密度超高速の会話を享受していた。

多くの客がいたが、皆、体を傾けて聞き惚れている。

一語でも聞き逃すとわけがわからなくなる。

子供の私は、これで、随分注意力を鍛えられた。

今、時々吉本漫才を聞くが、のろくてかったるくて肝心のウィットに欠けていて話にならない。

夫婦を支えるものは、結局、果てしない日常会話だ。

お孝さんと金吾は、実に楽しそうだ。

私は、こんな関係を将来女と持てるだろうかと、子供ながら、不安になったものだ。