春よ春よ、、

　『春よ春よ、、』

　わたしはここにいるわ

　そんなに遠くはない

　のばした腕の　一途(いちず)な感情

　きっとその元まで　届きますように

　むやみに探すことで

　両目を閉じることを

　忘れて、心の中のあなたに

　いつでも気づけなかった

　　バス停で季節が止まり　風の心地良さ

　　人恋しさをまたひとつ

　　乗り越えられそうな　春待ち空

　　　あなた、今日どうするの？

　　　耳をすましたら

　　　声が聞こえますか……？

　　　ひとり立ち尽くす、たたずむ　たじろぐ

　　　そんな春待ちの空

　勇気をふりしぼっても

　どうにもならない恋

　けじめの傷口　また指先で

　たどっているだけの道

　もしかして･･･と振り向けば

　すぐそこに居てくれそうで

　居てくれなければ･･･強がる足取(ふり)で

　私をごまかしたい

　　変わらないこの想い　天にささげる

　　両手のとおり、まっすぐ

　　彼方(かなた)へと駆けのぼって行きたまえ

　　わすれずにいるかナ　いて下さいね...って

　　すこし、他人のわたしになる

　　なぜか微笑(わら)いだす

　　人の気も知らずに...　そんなふうに

　　見えたの

　お空には雲のひとつ　浮かばずの時

　冬は跡形も残さず

　未来を私に見せつけてくる

　あなた、覚えている？　ゆびきりげんまん

　ふたり、して　みたはずよ

　穏やかな顔で　照れくさげなまま

　春のような人でした

　あなた、今日どうしても

　耳をすましても

　風が掻き消してゆく

　ひとり立ちすくむ　たぶん泣き腫(は)らす　

　そんな、春分けの空

#703＿(2019/03/11)